やりがいは? 給与は? 人間関係は? 訪問看護師の体験談8選

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病棟の業務の忙しさや、人間関係が煩わしい・・・・・・。
「訪問看護師っていいらしいよ?」
利用者さんとじっくり向き合える環境。
訪問は一人だから、人間関係から解放される。
けど、その前に・・・・・・実際に訪問看護師たちは、どう感じているんだろう?
訪問看護師の彼、彼女らの体験談を集めました。

訪問看護師にやりがいを感じている人

給与もやりがいのうち

I.Nさん(29歳男性)
当時の勤務先:国立病院

看護師5年目で、元々国立病院で働いていました。
3年目で訪問看護をやりたいと思い、転職。
職務には少しずつ慣れてました。

訪問看護師はやりがいのある仕事です。
給料がよく、患者さんとしっかり関われることがよい点です。
それに、基本的に何もなければ、波乱なく一日が終わります。

時々、複数の家で永眠される方がおり、一気にどたばたすることもあります。
夜勤の感覚に近いので、時々入る緊急の夜勤だと思えばこなせます。

気になる給料ですが・・・・・・。
手取りでいうと以前の病棟のフルタイムと比べ、3万近く増えました。
緊急対応の手当や、拘束料金がしっかり払っていただけているので、収入も満足です。

もし、転職しようと思うなら、一度訪問看護ステーションの状況を調べましょう。
ステーションによっては給与がきちんと払われないこともあります。
残業代や緊急時の手当、拘束料金、などがしっかり払われているかどうか・・・・・・。
お給料が低ければ、やる気も下がりますよね!
なので、実態をきちんと調査してから、良ければトライしてみましょう。

「ありがとう」がやる気になります

N.Aさん(31歳女性)
当時の勤務先:大学病院

看護師7年目になります。
元々、都会の大学病院に勤務しており、4年目で転職。
地元に帰り、訪問看護師になりました。

地方に帰った理由は、両親が体調を崩したからです。
幸い、命に別状はなかったのですが、離れるわけにも行かず地方で職を見つける必要がありました。
そこで、訪問看護に目をつけました。

大学病院と比べ、規模は小さいですがやりがいを感じます。
患者さんとその家族対自分の関係なので、夜中にナースコールが鳴り響くことはありません。
面会者の方や、ドクターに業務を遮られることもないので、じっくり患者さんと関われます。

注意点としては、地元は田舎なので、移動時間短縮の工夫を迫られます。
(車の免許はほぼ確実に必要です!)
そのため、訪問先で早めに切り上げれるところは、早めに対応を終えるなどコツがいくつかあります。
次の訪問先に遅刻する場合も、時間に対してのんびりした方が多いので許してもらえます。
(ただし、利用者さんに連絡しないと怒られます。まれに命の心配もされるので、連絡はきっちりやります)

患者さんに「ありがとう」と感謝されると、すごくやりがいを感じます。
基本はお断りしているのですが、「野菜もってってよー家族では食べきれなくて・・・」ということもあります。
時間を区切って、てきぱき動くのは自分の正確とも一致しており、やりがいをもって続けています。

偶然でもったやりがい

D.Tさん(30歳女性)
当時の勤務先:民間病院

看護師6年目になります。
最初の3年は民間病院のオペ室で働いていました。
ですが、激務に耐えきれず一度看護師を辞めました。
その後、友人に誘われ現在の訪問看護ステーションへと転職しました。

転職して、仕事が楽になったと思います。
訪問看護は、利用者さんごとに必要な支援・介護のレベルが設定されています。
私が所属する看護ステーションは、要支援レベルの人が多いです。
要支援レベル1~2なので、簡単なチェックと、世間話をして終わり。
一日5~7件くらい回ります。
最後に、ステーションに帰ってから記録書いて、おしまい。

今は、毎日に圧迫感を持つことはありません。
訪問看護師の仕事にやりがいが持っています。

訪問看護のやりがい

A.Hさん(33歳女性)
当時の勤務先:訪問看護ステーション

私は、訪問看護師になって4年目です。
以前は、急性期病棟に勤務していました。
ある程度経験を積んで、前から興味があった訪問看護をやってみることにしました。

私は、数名のスタッフと入浴介助を受け持つことになりました。
在宅看護で寝たきりの方は、刺激がない生活なので入浴を楽しみにされている方が多いです。
専用の車で訪問し、利用者さんが気持ちよさそうに入っている姿を見ると、大変だけど頑張ろうという気になれます。
利用者さんにとって、訪問入浴は評判がいいサービスです。
看護師がバイタルチェックもして介護スタッフがいるので、入浴に安心感もあり、ご家族からも感謝されます。

また、急性期の経験が役に立ちます。
とっさの判断が必要な患者さんの急変も、慌てずにかかりつけ医に連絡できます。
急性期と違って、じっくりと患者さんとつきあえます。
なので、急変が起こりそうな瞬間というのが、見えることが増えてきました。
自分の成長も、やりがいにつながっています。

※小まとめ
利用者さんとの関わりが深く、感謝されるとやりがいを感じているようです。
給料の面がよかったり、自分のペースで働けることもやりがいにつながっているみたいですね。

訪問看護師にやりがいを感じない人

ほかの訪問看護ステーションと比べてしまう

D.Kさん(28歳女性)
当時の勤務先:民間の訪問看護ステーション

看護師歴4年です。
1年間だけ訪問看護に関わり、辞めました。

患者さんとじっくり向き合える点で、あこがれがあったのですが、別の面が問題になりました。
そう、お給料です。
私のつとめている訪問看護ステーションは、残業代もボーナスも出ません。
また、緊急時によって出る手当なども支給されず、入所時の説明との隔たりを感じました。
(入所時には全部あるって言っていたのに・・・・・・だまされた)

また、看護師不足なので、オンコール当番期間が二週間あります。
この二週間は、退勤しても休日でも利用者さんから連絡があれば即出勤。
夜中の二時になり、続いて夜中の三時に連絡があり、明け方の五時に連絡があり・・・・・・という感じです。
電話対応だけですまない状態や、利用者の家族から求められれば訪問もします。
こういった、緊急の訪問にお金が出ないので、あこがれもすっかり消えました。

知り合いがほかの看護ステーションにつとめており、お給料はきちんと支払われているそうです。
ボーナスも残業代もありますし、休みについてもしっかりとれているそうです。
結果としては、やりがいを持てず転職しました。

人間関係が原因でやりがいを失いました

I.Tさん(32歳女性)
当時の勤務先:県立の訪問看護ステーション

訪問看護は5年やったあと辞めました。
理由は、人間関係が嫌になったからです。

訪問看護は管理者やスタッフで働きやすさが変わります。
私のつとめていたところは、いわゆる「お局様」がいました。
そのお局様のせいで、やりがいが消えました。

問題がかなり多い人で・・・・・・。
・シフトが決まった後に、平然と休みを取る。
「○○さんごめんねー」が全く謝ってない。
そのしわ寄せで他の人が休めなくなる。

・他人の勤務表に文句をつける。
「××さん、また平日休んでるよね。多くない?」
いいえ、あなたよりよっぽど働いています。

・いきたくない訪問はしない。
「お局さんがこないんだけど」と怒りの電話があり、慌てて訪問。
問いただしたら「具合が悪くて~」といいわけ。
毎回、同じ利用者の時に都合よく具合が悪くなれるのがすごいですねー。

・ねちねちと他人のミスを責める
介助を一人でやらせる。そして、失敗する。
失敗したら「だって、○×ちゃんがしっかりやらないから」
それが原因で何人辞めたことか・・・・・・。自分も何度からやれました。

細かいことに言及すれば、まだ出てきます。
もう、お局様の行動から、訪問看護へのやりがいを失い転職しました。
幸いなことに、転職先の病院の雰囲気がよかったので、なんとか看護師を続けています。

男だけど、辛い

E.Dさん(34歳男性)
当時の勤務先:田舎の訪問看護ステーション

転職を何回か繰り返し、訪問看護には4年ほど関わりました。
所属先は田舎で、訪問の移動に長くて40分以上かります。
毎日が忙しく、体力も尽きて転職。
理由は、あこがれとのギャップです。

最初は、患者さんと長くつきあえることに魅力を感じました。
それ以外にも、一人に任される裁量が多く、それもやる気につながっていました。
いざ、訪問看護師として働き始めてみるとその厳しさを痛感しました。

うちの田舎は、移動が一筋縄ではいきません。
土砂や工事で車線が規制されたり、悪天候になると訪問の遅れが生じます。
それだけではなく、患者さんと仲良くなり、一件が必要以上に長引いたりすることもしばしば。
結果として、予定にズレが発生し、次の利用者さんから待ち時間が増えたことに怒られます。
そして、次の次の利用者さんへの訪問がさらに遅れる悪循環です。
遅刻の連絡をして、了承を得たとしても、お小言はあります。

緊急の訪問が必要で、予定がころころ変えられることもマイナスでした。
状態が危険な患者さんには、訪問看護のプランの見直しも提案しますが、なかなか受け入れてもらえません。
訪問者が一人で多く裁量を持つので、自分で判断しなければいけないことが多く、気軽に相談もできません。

転職前は、病院から外に出れて、空気の違いを感じるという意味では訪問看護は魅力的でした。
しかし、実態を知ると訪問看護への熱は薄れていきました。

今は、国立病院へと転職し、忙しいですが、運転から解放されてほっとしています。

所長さえよければ・・・・・・。

K.Bさん(36歳女性)
当時の勤務先:訪問看護ステーション

患者さんとの関わり合いに興味を持ち訪問看護師になりました。
ですが、2年ほどでやめました。
理由は、所長とあわなかったからです。

元々、訪問看護師は病棟経験者で固めるのがセオリーでした。
近年、業界の人手不足もあり看護師ステーションにナースの新人が配属されるようになりました。
彼女たちは経験があまりないので、先輩の同行者をつけるのが一般的です。
うちのステーションも、同行者がつきます。

私の場合は、経験者ということで4日に短縮されました。
所長に抗議すると「経験者なんだから、いちいち聞かなくてもできるでしょ?」と一蹴されました。
その後は放置され、業務も勝手にどうぞという状態でした。
スタッフが4人しかおらず、非常にきつい業務でした。

そんなところにナースの新人が来ても、すぐ辞めてしまいます。
新人ナースへの同行期間は7日間という短さです。
同行期間の見直しをするように、何度も警告をしましたが、所長は反発。
「仕事は見て覚えるもの! 無駄な同行もやめたい! 嫌なら辞めろ!」
「毎度毎度、意見を言ってきて、面倒なのよ!」
「そもそも、あなたたちがきちんと業務をやらないからダメなの!」
とヒステリックにわめき立て、私も嫌気がさして退職しました。

看護ステーションは所長次第で働きやすさが決まります。
もし、就職や転職を考えているなら、その見極めが大事です。
所長さえよければ、やりがいを持って仕事をやれたと今でも思います。

※小まとめ
給料や、人間関係が悪いとあこがれもしぼんでしまいますね。
実際の実情にギャップを感じて辞めてしまう人もいるようです。

まとめ

辞めていった人でも、患者さんとの関わりそのものは否定的ではないのに驚きですね。
業務としては、看護師としての下地がしっかりできていれば、対応もスムーズになるようです。
あとは、人間関係や労働環境をしっかり調べておけば、トラブルも消えるようです。
細かい条件が気になる場合は、一度転職サイトを通じて探してみるのも手です。