ストレスMAXな救急看護師の4つの体験談

救急って、ドラマとかバラエティでよく見かけますよね。
体力勝負だけど、やりがいはありそうだなと思いませんか?

やりがいがある分、大変さがあります。
実際、患者さんの症状レベルで処置も変わりますから、とっさの判断も必要とされます。
そういったプレッシャーの中、救急看護師は働いています。

それに、救急は本当に必要な人に行き届いているのでしょうか?
必要な救急に至らないことが、救急看護師のモチベーションを下げてしまします。

ここでは、実際に救急で働いていた人の体験談を4つ集めました。
彼らがどのような思いで救急に携わっていたのかを見てみましょう。

現れたモンスターペイシェント

信じられない患者さん達

T.Nさん(女性)

私は新卒で配属希望が通り、救急で3年勤務しています。
昔テレビで救急の番組を見てから、救急で働くことにずっと憧れていました。

しかし、年々救急で働くことのモチベーションが下がっています。
そう、救急搬送が必要のない人たちが本当に多いです。

「血がいっぱい出ています!」と聞いて駆けつければ、擦り傷程度だったことがありました。
転倒があり、ヘルニアかもしれないという申し送りを受けていたのに、到着してみたら救急車にいきなり元気よく乗ってきたこともありました。
挙句の果てに、「救急車で来たほうが外来で待たなくてすむでしょ」タクシー代わりにされました。
本当にありえません。そんな声を聞くたび、ブルーな気分になります。

こういう人たちの相手をしていると、本当に救急車が必要な人たちのところに行けないのではと不安になります。
また、呼び出されて行った方も「え?」となり、対応はしますが緊張感が切れてしまいます。
なので、救急看護師からの転職を考えています。

怒りたい!信じられない!

O.Aさん(女性)

私は救急で勤務している看護師です。
新卒で配属されてから、あっという間に3年が経ちました。

救急から抜け出したくて病院に異動届を出し続けています。
患者さんに酷い人が多いんです。

ある時、救急隊から「風邪だろう」程度の成人男性の搬送連絡を受けドン引きしながら待っていました。
しかし救急車が到着した途端、救急車に同乗してきた男性の妻が、
「連れてきた子どもも一緒に診てほしい」と言いだしました。
うちの病院は小児科がなかったので、「対象外」ということを伝えました。
すると、旦那の分の支払いもせずに帰ろうとしました。
救急を何だと思っているんでしょうか。

他にも、「昨日の朝から痛くて」と言って救急にやって来る患者さんたちがいます。
それなら、昨日の昼間に来たらいいじゃないですか。わざわざ救急で来る必要ありますか?
「早く診ろ」という横柄な態度の患者さんも来ます。
診察の順番くらい待ちなさいよ、って感じです。

その一方で、「救急車で来ればいいのに」と思う人に限って、自力で来ちゃったりするんですよね……。

もう、変な患者さんの対応はしたくありません。
早く異動させてもらいたいです。

辛いのもわかるのけど

時には責められてしまうことも

E.Uさん(女性)

私は救急で勤務して2年目の看護師です。
高い看護スキルを身に着けたくて転職をしました。

でも、もう転職したいと思っています。
救急は思っていた以上に過酷な世界でした。

例えば、処置室やベッドで開腹術が始まることがあります。
血まみれの小さな子どもが運び込まれ、現場には母親の悲鳴が響き渡ります。
必死に手を尽くして患者さんが亡くなってしまうことや、亡くなった患者さんの家族から責められることもあります。

もちろん、回復して一般病棟に移り退院していく患者さんもいます。
でも、命のやりとりが行われる現場にずっといるのが精神的に辛くなってしまいました。
今では休みの日には転職サイトを眺めて過ごしています。

患者さんがモチベーション低下の原因になってしまうこともあるんですね。
もちろん、忙しさもすごいみたいですよ!

三次救急は過酷な業務

化け物じみた体力が必要

D.Yさん(女性)

私は病棟で5年勤めました。
その後、救急へ憧れがあり、三次救急へ転職をして半年経ちました。

でも、すでに辞めたい気持ちでいっぱいです。
あまりにも辛すぎます。
救急では時間に関係なく患者さんを受け入れるので、日勤も夜勤も看護師の数が変わりません。
そのため、夜勤に入る日数が病棟に比べて多いです。
夜勤中には、重篤な患者さんの担当をしながら救急車の対応をしなくてはなりません。
体力を散々削られて余裕がなくなり、必要な勉強をする気力すらも湧かなくなってしまいました。

せっかく憧れの救急で働けているのにとても苦しいです。
このまま続けても、体力も気力も失くして、看護師としてのやる気もなくしてしまうのではないかと不安です。
そうなる前に、もう一度病棟に戻ろうと思っています。

やっぱり救急って過酷なんですね……
でも、やっぱりそれでもやりがいがある!というお話もありますよ。

救急で感じられるやりがい

どんどん出来るようになる

O.Mさん(女性)

私は13年目の看護師で、救急に異動して2年経ちました。
病棟勤務で楽しく働いていたので、救急に異動と聞いた時はショックでした。

でも、今は救急に異動できて良かったと思っています。
救急でやりがいを感じることができました。

私の勤務している救急は、物品の確認や連絡経路、手順などのマニュアルが整備され働きやすい環境です。
異動して初めの頃は、マニュアルをしっかり頭に入れることを心がけました。
基本的なことが頭に入っていたことで、同僚から信頼してもらうことができ、仕事を教えてもらえることも増えたと思います。
仕事が終わってからも必死に勉強したおかげで、テキパキと動くことができるようになりました。
また、救急の看護やトリアージなどは瞬時に急変することがあるので的確な判断が必要になりますが、今では経験を積み自分で判断することができます。
自分の成長を日々感じることができています。

忙しすぎて体力的にキツイと思うこともあります。
でも、こんなに自分の成長を感じながら勤務ができることに大きなやりがいを感じています。

救急外来は勉強になる場所

O.Gさん(女性)

私は総合病院で働いて4年目になる看護師です。
普段は病棟で働いていますが、救急外来に助っ人に入る事もあります。

私は、この救急外来の経験がとても勉強になると思っています。
なぜなら、患者さんと関わる短い時間に看護師としての業務が濃縮されていると思うからです。
救急外来では急変時に自分の判断で対応や処置をします。
助っ人で何度も経験を積むうちに慌てず対処ができるようになりました。
また、突然緊急入院になった患者さんやその家族はたいへんショックを受けています。
短い限られた時間に、患者さんや家族のショックを和らげるよう関わるようにしています。
そして、救急外来から入院までの流れを知ることができます。
この流れを知る事で、病棟でも患者家族へのケアに活かすことができています。

もちろん、自分の判断で動くプレッシャーは大きいです。
でも、自分がリーダーシップをとって責任をもって業務に臨める救急外来は病棟でも活きるスキルが身に着けられる場所だと思っています。

それでも、挑戦してみる?

頑張って働く中で、患者さんにイライラしてしまったり、
患者さんのご家族に責められてしまったり……

体力だけじゃなく、気力も必要になる救急。
もちろん、やりがいはある。

救急の世界に挑戦しよう!と思ったら、体力と気力を十分に持って飛び込んでくださいね。