救命救急に転職する看護師が押さえておくべきポイント

項目 評価 コメント
臨床経験 1年以上 判断力が優れていることは不可欠だが、臨床現場の経験がないと、基本的な看護スキルが弱いので対応が難しい。
平均給料 30万~40万
福利厚生 「救急手当」「危険手当」など肉体的、精神的ストレスに対応した手当が支払われる。
夜勤 あり 患者は、一般の医療機関が終わって夜間に多く来るため必然的に夜勤は多くなる。
残業 重症者の搬送や急変が重なって人手が足りない以外はほぼ残業はない。
土日出勤 あり
子育てママ × 激務なため小さな子供を持つママさんナースは子供の体調不良時に早退できる環境にない。
新卒 新卒採用は少ない。高度で最先端の治療を行うので新卒看護師には重い職場。

救命救急ではどんな仕事をする?

救命救急の仕事は急を要する患者さんたちの看護です。 急を要する患者さんは、1次救急、2次救急、3次救急があります。

1次救急は軽症患者、2次救急は中等症患者、3次救急は重症患者に対する救急医療です。しかし、患者さんの立場からすると自分が軽症なのか、中等症なのか、重症なのかわからず、どのような医療機関に行っていいのかわからない時があります。

1次救急施設に2.3次救急の患者が来た場合や、1.2次救急施設に3次救急患者が来た場合、高次施設へ転送することが原則になっているが、受け入れを拒否され、1次救急が重症患者を看ることもあります。

【救急医療施設以外の働く場所】

・ドクターヘリに同乗して救急看護を行うフライトナース

・海外の災害現場に派遣される救急看護師 など。

救急レベルランク分け

1次救急 入院の必要がない状態で、外来診療だけ対応して診療後は帰宅が可能な患者さんの対応する医療機関です。

2次救急 一般病棟への入院を要するな中等症患者さん(上気道炎など)対応する医療機関です。

3次救急 2次救急で対応することが困難な重症患者さん(心筋梗塞、脳卒中など)に対応する医療機関です。

通常、3次救急に指定されている病院は、高度救命救急センターを開設しています。中には、ドクターヘリ対応な病院もあります。高度救命救急センターでは、より高度な専門的知識や技術を持つ救命看護のスペシャリストな認定看護師が活躍しています。

救命救急で働く看護師はどんな人?

精神的にも肉体的にもハードな職場なので、20~30代の看護師が多いです。また医療機器の搬送や長時間立ち仕事になるので男性看護師も多く働いています。

救急搬送される患者さんは、内科・外科問わず運ばれます。酔っ払いが救急で暴れたり、病院の備品を壊したり怖い思いをすることがあります。警察沙汰もしばしばあります。このように体力も精神力も強くなければならないので男性看護師も多く活躍しています。

救命救急で働くメリットはどんなこと?

どんな外傷や疾患の患者さんが来ても立ち向かえられるスキルが身に付きます。 危篤状態の患者さんの命を救えれば大変だった仕事も報われ喜びに変えることができます。

救命救急で働くデメリットはある?

患者さんがいつどんな形で来るかわからないので、常に緊張感とプレッシャーがありとても疲れる部署です。 患者さんの命を助けることができれば喜びに変わりますが、亡くなってしまう時もあります。 助かる命に直面する機会もありますが、消えていく命が強いストレスになることがあります。 救急で運ばれる患者さんもいれば自分自身で病院にくる患者さんもいるので、少しでも患者さんが重なると、どんどん忙しくなります。 その反面、救急の患者さんが全くいない場合もあるので、一般の科と大きな違いで、そこがデメリットとも言えます。

まとめ

救命看護師として働くには、何事も動じない精神力が必要になります。そして、知識を積み重ねていけば、どの診療科でも務まる技量を身に付けることができます。 ICU、NICUの担当になれば病棟復帰のハードルも下がります。 救命看護師として働くことは、看護師としての能力を最大限に広げてくれます。

救命救急に関するコラム集

コラム1「交通事故患者しか受け入れない!?」

医者の診療行為は全部点数制になっています。 一律1点10円です。ところが交通事故の場合はチョット違います。 治療費は医療保険ではなく自動車損害賠償保険から支払われるので、「自由診療」になります。 この場合、1点単価の値段を医者が勝手に決められるということになります。つまり好きなだけ医療費が取れるということです。 ある病院では交通事故の患者だけ受け入れるところもあります。その病院は1点単価20円です。 普通の病院の2倍もの報酬を受け取っているわけです。 もちろん、ここで働いている医師、看護師は普通の給料の倍以上稼いでいます。

コラム2「輸血拒否によって救えない命」

宗教上の理由で輸血を拒否される場合があります。 ある大学病院のNICUでは両親の宗教上の理由で輸血を受けられず、長期間保育器で過ごしている赤ちゃんもいます。 小さな子供が血だらけで運び込まれても、宗教上の理由で輸血を拒否されれば助けられる命も助けることができません。 そんな過酷な現場に耐えなければならないのも救命救急看護師の特徴です。

コラム3「救急で力が発揮できる診療科目」

救命救急に転職に有利な診療科目は…経験科が内科だから不利、外科だから有利ということはスキル上ありません。 専門知識が事前にあると強い診療科目、救命救急で力が発揮できる科目は下記です。 ・脳外科 ・心臓外科、循環器内科