看護師のキャリアアップ 資格取得とその目的

キャリアアップを目指すための「資格」!!医療の分野だけではなく、世間には色々な資格があります。
資格をうまく使い、キャリアアップしましょう。

資格取得にはそれまでの「過程」が重要

資格を取得した看護師100人に聞くと、7割以上の看護師が資格を取得した後、何らかの違いを感じているようです。
最初に、資格の持つ「効果」について考えましょう。

①知識を得て、スキルアップを目指す
多くの資格は、取得に向けての検定・認定試験があります。合格を目指すには、勉強をしなくてはいけません。

また、セミナーや実習、レポートが必要なこともあります。その過程で得た、知識や技術が毎日の業務とつながる場合、「仕事に役立った」と感じることが多いです。
すなわち、資格よりもそれまでの勉強に価値があります。

ただ、日々忙しい中、時間をつくり、自ら勉強するのは簡単ではありません。そのような時、試験日が決まっていて、要点をまとめた参考書や問題集などがある資格は、自分のためにすごく役にたちます。合格を目指し、勉強していたら自然に知識や技術が身につく。それが資格の効果です。

②客観的な知識
色々な仕事の中で、自分のキャリアを説明するときに、経験年数が使われることが多いです。
「ナース歴12年」「小児科病棟で6年」といったように、キャリアを説明したことがあると思います。

しかし、その人の持っている知識や技術は、経験年数だけではありません。それに対して、資格は認定する団体から、「専門家として知識や技術を持っていると認められた」ということです。資格を取得することが客観的に、取得者の知識・技術を証明してくれるのです。

③色々な知識を得る
資格を取得するための勉強の中で、それぞれの分野における研究の成果など、仕事には必要ないと思うこともあります。でも、それが資格の効果です。

毎日の仕事で習っている知識は、必ずしも順序良くなっていません。今やるべき仕事をして、無作為に断片的に身についていくことが多いです。
また、経験したから分かったということもあります。

資格の取得に向けた勉強は、そのようなことを順序良く学ぶこともできます。また、経験したことを裏付けるような結果もあります。

つまり、体系的な知識も習得できます。現場での知識を順序よく勉強することは、今までの不安や疑問をなくし、自信になります。
また、断片的な知識が整理されることで、次へのステップアップになります。

目的を見極めることが必要

さまざまな効果が期待できる資格ですが、アンケートでは「何もかわらない」と答えている人もいます。
その原因を考えると、資格を取得することだけが「目的」になっているからです。

「知識を得て、スキルアップを目指す」「客観的な知識」「色々な知識を得る」というような効果はその分野ではなく、知識になります。

そういうことに対して、仕事のために資格取得を考えている場合は、その効果を表す言葉以前に、「必要な」という言葉を加えるといいです。

分かっていると思いますが、、意外と重要です。
「将来、役に立ちそうだから」「持っていれば便利かも」という理由から習得を目指し、いざ習得するときに、「役には立たない」というのは仕事と資格のつながりを考えていないからです。せっかく取得した資格なので、仕事に活かしたいものです。

ですが、全く関係のない分野の仕事にその資格を活かそうとしても無理です。きっかけはどうであれ、仕事に活かしたいなら、「どんな資格か」「どんな知識が得られるか」「仕事とどう関係するか」ということを調べる必要があります。

資格がすべてではない

看護師資格を持っていないと、看護師の仕事はできません。行政書士や栄養士なども同じです。そのような資格は、決められた知識や技術を学び、身に着けた人にだけ、業務を許可するだけの資格です。

そういう事に対して、取得した人も取得していない人も同じ仕事ができる資格もあります。このようなことを十分に理解しないと、仕事に対してストレスを感じることがあります。

また、資格の有無に関係なく同じ給料という、不満もでてきます。これも資格に対するかなりの望みであり、または誤解になります。

職場によっては、取得支援制度があったり、資格にかかる費用がでる場合もあります。
そこで大切な事は、資格はあくまでも「きっかけ」という事です。資格を取得するために勉強する。そこから知識、技術が身につき、スキルアップできる。という過程の結果です。

ほとんどの資格に即効性はないし、万能でもないです。それが「資格」です。
しかし、考え方次第で資格は自分の成長にもなり、目標へとつながります。
キャリアを積んでいく上で、資格は心強い武器になるので、うまく利用しましょう。