3年目の看護師なら知っておきたい5つのこと

看護師10年目になりました。
結婚も離婚も経験した、中堅ナースです。
最近、看護師3年目の後輩から多く悩み相談を受けます。

3年目は看護師にとって最初の転機と言われています。
一通り仕事をこなせるようになって落ち着いた人。
後輩の新人ナースを育てる重圧に苦しむ人。

私は本当にやっていけるのだろうか?

そして、このような転機は将来にわたり何度も訪れます。
結婚、妊娠、離婚、介護、定年・・・・・・。
そのたびに悩み、答えを出していかなければなりません。

どうしたらベストな答えを出せるのだろう?
私の人生はベストとは言えない歩みでしたが、後輩の負担は少しでも軽減したい。
なので、3年目の看護師で改めて知ってほしい5つのことをピックアップします。
私の振り返りでもありますが、よければ一緒に3年目の看護師について考えてみませんか?
よければ、見ていってくださいね!

1.結婚ってどーよ!?

客観的に、女性なら結婚は人生で1番ハッピーなイベントです。
でも、意外と大変なんです。(経験した人は頷くでしょう)
だって、決めなきゃいけないコトが盛り沢山だもの。

結婚式に誰を呼ぶ?
呼んだときの席の序列は?
ダンナさんは頼りにできそう?
転勤で看護師のキャリアはどうなるの?
考えればキリがないからとても悩みます。

そんな悩みをスッキリさせるために、誰にどんなことを相談すればイイか?
疑問を1つずつ確認していきますね。

結婚は決めないといけないことだらけ
結婚は自分一人ではできないし、職場の人たちも巻き込むことになります。
そこで、一番迷惑をかけない方法を知っておきましょう。

プライベートでやるべきこと

Q:結婚する相手のどこをチェックしたらいい?
A:チェックポイントは3箇所あります。

1 マザコン→小さなコトでカッとしない。
意外ですよね。 愛情をしっかり受けていると、自己肯定感や共感能力が高いので、思いやりがあります。
注意したいのは、「母親の言いなりになる冬彦さん的な人」ではないということ。
「母親を気遣えるやさしさを持っている人」のことですので、気をつけましょう。

2 決めたことは守る→いい夫になる。
言ったことを必ず実行している人なら信頼できます。
反対に、口約束だけの人には注意が必要です。「結婚してほしい」と言われても、誰にでも言っているかもしれません。

3 お金について話し合える→夫婦円満を予想できる。
お金の話は実生活と切り離せません。しっかり話し合えるなら、結婚してからも安心でしょう。

結婚はチームプレイです!!
重要なことは、「一緒に協力して生活できるか?」です。
チェックに該当する数が多ければ多いほどGood!

Q:夜勤を続けるために家事の分担を考えています。任せる家事はどうやって決めたらいいですか?
A:手始めに、旦那さんが好きな家事から任せることです。

男性の好きな家事ランキングを紹介しますね!是非、任せるときの参考にしてください。
1位 料理「自分でつくりあげる作品という感じがするらから。」 
2位 掃除「成果がすぐわかるから」 
3位 洗濯「カンタンだから」  
4位 食器洗い「汚れが落ちると、気持ちもスッキリする」 
5位 風呂掃除「最後に入って、洗ったら上がります。汚れ落ちが良くて気持ちイイです」  

どうですか?上位3位までは、忙しい看護師なら男性にぜひともお願いしたい家事ですよね。

Q:結婚前に子どもが欲しいかどうかを決めておいたほうが良いですか?     
A: はい。できれば、「だいたいこのくらいの時期にほしいね」と話しあっておくと、看護師としては仕事の予定も立てやすいです。

職場に対してやるべきこと

Q:結婚の話が出ています。できたら辞めたいけど、3年目に辞めると損ですか?    
A:場合によっては損です。
退職金は3年以上同じ病院で勤めることを条件にしているところが多いです。
大抵の場合、3年目でも退職金を手にすることはできます。

しかし、5年目以降のほうが転職には有利です。
なぜなら、教育係やチームリーダーを経験している看護師は、転職先でも即戦力として優遇される場合が多いからです。
もし、復職を考えているなら5年以上の経験を積むのがオススメです。

Q: 結婚は看護師何年目が祝福されやすいですか?
A: 5年目以降が一番祝福されやすいです。
なぜなら、病院の業務を一通りこなして後輩も育てるようになるからです。
看護師としての経験やスキルを自信にできることと、勤続面で病院の信頼も厚く、妊娠・出産してもブランク明けの復帰を期待されやすいためです。

Q: ハネムーンって行ってもイイの?                
A: 部長の許可が出れば問題ないです。新婚旅行くらいしか長期休暇は取りにくいでしょうから、いったほうが良いのではないでしょうか。
ちなみに、休暇取得の平均日数は10日です。国内・海外のどちらでも、ツアーがオススメです。移動や食事や治安のことを考えると、ラクだし楽しめます。

2.妊娠したら何が大変?

働いていると、子供を産むハードルは高くなりがち。
将来子どもは欲しいけど、仕事と両立ができないという理由で敬遠してしまうことも。
本当に大変なの?まずはこの目で見てみましょう。

プライベートで考えるべきこと

Q:子どもはいつくらいまでに生んだほうが良い?                    
A:20代のうちが良いでしょう。30代からは、妊娠率が低下します。
特に、看護師はストレスの多い仕事なので、一般職に輪をかけて流産の確率が高くなります。

Q: 妊娠が30代になると、どんなデメリットがありますか?                
A: 卵子の老化が始まります。そして、35歳以上は「ハイリスク妊婦」と呼ばれ、母体にも胎児にも何らかのリスクを負う確率が高まります。
そして、体力も低下してきますが、仕事が面白い時期でしょうから、ついつい無理をしがちでもあります。
ハイリスク妊婦だと、万一のことが起こる確立が高まるので、助産院で出産できない可能性があります。

Q:出産したら、赤ちゃんとじっくり向き合って育ててゆきたいです。
育休に関して、旦那と何を話し合えばいいでしょうか。    
A:育休を取るか、一度退職して子どもが大きくなってから復職するかを話し合えば良いです。
平均的な育休の取得は一年が多いです。

ただ、赤ちゃんと向き合いたいということですから、できるなら3歳になるまで育休を取ることをオススメします。
なぜなら、3歳までは、人生で一番ものごとを吸収できる時期だからです。
それが難しければ、一度退職するのもアリでしょう。
看護師は一般職に比べて復職がカンタンだという強みがあります。その強みを最大限生かしてはどうでしょうか。

職場で考えるべきこと

Q: 妊娠しても働けるの?        
A: 妊娠は大きく体調が変化する出来事ですが、からだの不調やつわりがなければ働けます。
出産直前まで働く人もいますが、産前休暇は6週間前(多胎の場合は14 週間前)から取得できます。
自分の体調と相談しながら、無理のない期間で申請(※1)しましょう。

Q: 働き方はどうすればよいですか?   
A: まず、妊娠したことを上司に報告しましょう。そして、重い荷物を運ぶことや患者の生活介助など、体に大きな負担がかかることは免除してもらいましょう。

Q: 夜勤はしても良いの?        
A: 不規則な生活は体に大きな負担がかかります。
ただでさえ、看護師は体力や精神力が必要とされる仕事なので、ストレスも大きいです。
大きなストレスがあると、切迫流産や早産が起こる確率が高くなることから、免除してもらったほうが良いでしょう。(※2)

※1産前の休暇のみ申請が必要です。
つわりやだるさなどであまりにも辛い場合、主治医から「退職してはどうか?」と言われ、やむを得ず退職することもあります。

看護師の妊婦さんの3割が切迫流産に!
看護師はがんばり屋さんが多いため、出産ギリギリまで働く傾向があります。
調査では、看護師の切迫流産率31.6%、切迫早産率は32.6%に上りました。
妊娠しても働くことはできますが、赤ちゃんと自分の体を優先して、きちんと休暇を申請しましょう。

※2夜勤免除や軽易な業務への転換は、労働基準法で定められています。
あなたが申請したら、病院側は承諾しなくてはなりません。

3.離婚は何が大変なの?

結婚もまだだし、リコンなんて知らないよ…。
そりゃそうですよね。
しかし、リコンの大変さを知っておくと、そもそもリコンという選択肢を選ばないかも!?

離婚は一大事!?
リコンしたらどうなるの…?
離婚までの気持ちの流れは、好きな人→わかり合えない人→わかりたくない人→顔も見たくない人となります。
え?それって、ハンパないストレスじゃない??

プライベートでやるべきこと

Q:離婚の原因って何ですか?       
A:主な原因は「夜勤で生活リズムがすれ違う」「家事の分担でもめる」ことです。  
    
Q:離婚って防げないの?          
A:結婚を決める際、看護師ならではの生活リズムを説明して理解を得ることや、家事は分担してもらうように十分な話し合いをしてください。
それが、離婚を防ぐキーポイントとなるはずです。

Q:離婚ってなにが大変なんですか?    
A:主に離婚前は「離婚するまでの話し合い」が、離婚後は「育児と仕事と家事の両立」が大変です。

看護師にとって、離婚までの話し合いも気力や体力を消耗するため、大変です。
なぜなら、ダンナさんから「夜勤を減らせ」「気力で家事も頑張って」と言われ、そのストレスを病院に持ち込むことになってしまいます。
そして、離婚が成立するまでの間はストレスによってインシデントやアクシデントにつながる恐れが出てきます。

看護師にとって、育児と家事と仕事の両立は忙しすぎて大変です。
例えば、家では子どもの宿題を見て、掃除、炊事、洗濯 をすべてこなし、病院ではプリセプターを務めます。
そんなこと、とても一人ではできません。親御さんに頼れる状況なら、頼りましょう。

職場で考えるべきこと

Q:子育てしながら働けるの?   
A:働けます。シングルマザーの看護師は大勢います。

Q:働き方はどんな感じですか? 
A:院内保育に子どもを預け、独身の看護師と同じように日勤だけでなく、夜勤もこなしています。

Q:夜勤はしたほうが良いの?   
A:はい。病院側も人手が欲しいですし、24時間保育。子どもを見てくれる祖父母がいる。といったように環境さえ整えば、夜勤はオススメです。
体力があるうちに働いておけばスキルアップができ、経済的にも助かります。

4.介護は大変?

介護は、障害者、高齢者、病人の生活の世話をすることです。
「自宅で世話なんで無理だ、施設に預ける。」 「施設に預けるなんてかわいそうだ、自宅で世話をするべきだ。」など、人によっても環境によっても考え方は多様化しています。

介護は一大事!?
特に、看護師だと自分が介護を申し出たり、介護をお願いできる人として頼らがれちなのです。
…って、親の世話しろってコトなの!?ちょっとみてみましょう。

プライベートでやるべきこと

Q: 義父母の介護をして当たり前と聞きますが、本当ですか?             
A はい。一般職の人と比べて「看護師なら世話して当然」と思われがちなので、頼られる確率は高いです。

Q: サイアク介護するとしても自分の両親だけにしたいです。どうすればいいですか?  
A ダンナ様に協力してもらい、ご兄弟とよく話し合ってもらうのはいかがでしょうか。

あくまでもダンナ様に動いていただくことが重要です。あなたが話をすると関係がギクシャクしてしまいます。
そのために、まずダンナ様に「自分の両親も看護師である自分を頼りにしていること」を伝え、「自分は看護師だけれど介護士ではないし、自分一人では、とても両家の両親は見れない」と、自分だけの負担にならないように調整できるようにしてみてはいかがでしょうか。

Q: 楽しく介護をする方法はありますか?                      
A はい。いろいろなセミナーやイベントに参加するとか、院内で休憩時間に同じような立場の看護師と近況を話してみると良いでしょう。
同じような状況の方と交流を持ち、普段のストレスや悩みについて話し合えば、解決策を探ることができるでしょう。
デイサービス・ショートステイなどを積極的に活用しながら、自分のリフレッシュタイムを作ることも忘れないでくださいね。

職場での考えるべきこと

Q:介護しながら働けるの?                            
A:働けます。特に、介護職だと在宅介護への理解が得やすいので、介護老人保険施設・特別養護老人ホーム・有料老人ホームに思い切って転職するのもオススメです。
働いている看護師も40代~60代。つまり周りも介護をしている世代です。お互いに相談しながら個人的な事情を汲んでもらえる施設だとなおさら転職しやすいですね。

Q:働き方はどんな感じですか?                          
A:働き方は上司と相談すればいいです。生活のために仕事をなさるなら、日常の世話はできるだけヘルパーさんに任せてしましましょう。
看護師は看護のプロだというように、 ヘルパーさんは介護のプロです。難しいことはプロに任せましょう。

Q:自分で最後まで介護できるか心配です。将来は老人ホームに入ってもらいたいですが、できますか?
A:年齢制限と要介護度によって入居できる施設が異なります。そして、すでに入居待ちの施設もあります。
ある程度お金もかかることですから、「看護職だから考えなくても安心」と思うのはキケンです。
「○○になったら○○にする」と、先々までプランを準備しておけば、いざというときにパニックにならずに済みます。

5.定年したらどうなる?

公務員の定年は60歳(※1)です。一方で、一般病院の定年は様々です。そして、再雇用の制度もあることから、経験豊富な看護師は病院から声をかけられるでしょう。
若手の教育や管理職の補佐としてチカラを発揮してもらうことが期待されています。

定年は一大事!?
定年後も働けるとしても、プライベートと仕事のバランスがイマイチ想像できない…。
どんなことを考えるの?

プライベートで考えるべきこと

Q 定年後、夫婦の生活って変わるんですか?
A 定年後の夫と妻は、気持ちの上ですれ違うことがあります。

夫は「定年後は自分と同じく妻もヒマ」だと思い、時間になれば食事を求められるかもしれません。
一方妻は、定年前は夫の給料を頼りますが、定年後は給料もくれないうえに家事で一日中束縛されるのが嫌という意見が多いです。
したがって、定年後もある程度外来やクリニックで働いたほうが、ストレスのない日々を送れるのはないでしょうか。

Q すれ違いからの熟年離婚を防ぐ方法はありますか?                     
A 定年後も、看護師現役時代と同じように、夫に家事を分担してもらいましょう。 家事は夫婦で生活していくためには欠かせない共同作業です。

Q ずっと夫婦で楽しく暮らしていく秘訣を教えてください。                 
A 二人の時間もお互いのプライベートも大事にしながら生活することを心がけましょう。
看護師として再雇用されていても、現役時代よりはゆっくりした生活ができるでしょうから、
それぞれお友達と会う、旅行をするなど楽しく過ごせれば良いのではないでしょうか。

職場で考えるべきこと

Q 再雇用ってどんな制度?                             
A 定年退職の後に新しく雇用契約を結ぶ制度です。ただ、一般職の人と同じく、誰でもが声をかけてもらえる制度ではありません。
声がかかったら、「看護師としての働きが病院に認められている」と胸を張ってください。

Q 働き方はどんな感じですか?                           
A 同じ職場の嘱託職員、非常勤(パート)で働くことが多いです。(※2)これは一般職の人と変わりません。
待遇は、改めて病院側から提示があります。診療科の変更、夜勤免除、外来や日勤のみなど、これまでとは大幅に勤務時間帯や任される仕事が変わります。
ただ、勤務によっては社会保険や厚生年金が適用外になることもあるため、事務の人に説明をしてもらってください。

Q 条件の良いところがあれば、定年を待たずに転職するのもアリですか?
A アリです。ただ、退職金の額に注意しましょう。勤続年数に比例して増額されていきますので、退職金の金額と、転職先の給料をハカリにかけることも必要です。
現在の職場に留まるか転職のどちらが得かを吟味しましょう。

※1 国立病院は、2015年4月1日から非特定独立行政法人「国立病院機構」に変更したため、非公務員となりました。
※2 正社員ではなく、嘱託やパートになることが多いので、ボーナスの額や給料は大きく減るでしょう。

6.終わりに

「結婚」「妊娠・出産」「離婚」「介護」「定年」についてみてきましたが、いかがでしたでしょうか。

それぞれに対し「こんなこともあるんだな」と頭の片隅おいていただけると、将来の転機を迎えたときに、悩みが小さくて済むのではないでしょうか。
是非、あなたにとって一番良い未来を選んでみてくださいね。

あなたの輝く看護師人生を応援します。