急性期病院に転職を考えている人必見!3人の看護師体験談

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急性期病院で働く看護師は、どういう特徴を持っているか知っていますか?

忙しく、体力が必要なので、比較的若い看護師さんが多いようです。
また経験を積むため、勉強するために敢えて急性期を選ぶ看護師さんも。

今回は、そんな急性期病院で働く看護師さん3人にお話を伺いました。
きっとあなたの転職に役に立ちますよ。

急性期は若い人向け

S.Tさん(女性40代)
クリニック5年 有料老人ホーム3年 総合病院3年

40代女性
急性期での勤務は今回初めてでした。

勤務している病院

整形外科中心の総合病院で、急性期と回復期に分かれていました。

一番大変だったこと

ハードルが高すぎました。
病棟勤務すら初めてなのに、いきなり急性期。
十分な知識と体力、判断力が要求されましたが、最初はまったくついていけませんでした。

一番辛かったこと

年齢が40歳なので、即戦力として期待されていたようです。
がっかりされた感がありました。
周りの期待外れだという態度が辛かったです。

相談相手

師長さんに相談をしました。
回復期への部署移動をお願いし、結果的には異動となりました。

辞めたいと思ったこと

急性期病棟の仕事に対して、あまりにも知識がなく、事前の情報収集もできていなかった自分の浅はかさを恥じました。
辞めたいとも思いましたが、もうひと踏ん張りしてみようと考え、回復期に異動しました。
3年後、辞めることになりました。

アドバイス

同僚の看護師さんの中では「急性期」が好きだという人も多かったです。
看護師らしい仕事が多いし、専門的な勉強ができて、スピード感があるという理由だと聞きました。
体力や判断力も要求されることが多いので、どちらかといえば若い人向けかもしれません。

もちろん経験も必要ですので、ずっと急性期で頑張ってきたという方なら年配の方でも問題ありません。
むしろ重宝されるのではないかと思います。

私自身は急性期にまったく向いていなかったので、やはり自分の適性を考えて選ぶべきなのだと思います。
若いときにもっと厳しい経験を積んでおくべきでした。

急性期病棟は知識や体力も必要ですし、辛いことも多いです。
しかし経験を積むには最適ですし、乗り越えることが出来れば、どこの病院でもやっていけるのではないでしょうか。

どんな患者さんも受け入れる病院

Y.Nさん(女性40代)
消化器外科内科4年、循環器脳外科5年、ICU1年、治験1年、クリニック2年、訪問看護2年、老人ホーム5年

41歳女性、看護師歴20年です。
夫と子供2人の4人暮らし、今は下の子が小さいので専業主婦をしています。

勤務していた病院

地方の総合病院で働いていました。
より多くの患者さんを受け入れるために、病院を大きくしようとしている時でした。
スタッフが少なくても救急車は絶対に断らない、どんな患者さんでも受け入れていました。

一番大変だったこと

急性期病棟を2名の看護師で夜勤をしますが、夜間外来に救急車が来ると、1人そちらに降りていくかたちになります。
軽傷の患者さん、心肺停止の患者さん、今すぐ緊急オペが必要な患者さん、交通外傷などいろいろな患者さんが入ってきます。
それを全部医師1と人看護師1人で対応しなければなりませんでした。

オペが必要な場合はオペ室看護師に連絡できましたが、基本看護師1人で対応します。
移動、処置、介助、すべて一人でこなさなければなりません。
それがものすごく大変でした。

その間、20名の急性期患者さんは、全てもう1人の看護師で診ることになります。
こちらもてんてこ舞い状態でした。

一番辛かったこと

夜間外来に患者さんが歩いて診察にきました。
しかし抹消冷感チアノーゼがひどく、SPO2もかなり低く心筋梗塞を起こしている状態でした。
救急外来の広い場所に連れていく時間もなかったため、診察室の狭い所で急いで挿管介助を行ったのです。

救急外来と違って、急変に必要な物品がすぐそばになくて、いちいち走って取りに行かなければなりません。
介助をするにもいろいろな物が邪魔で、いちいち飛び越えて介助をしなければなりませんでした。
ヘルプを呼びたくても電話をしている余裕さえなく、先生と二人きりで物凄い勢いで進めていきました。
その後カテーテル検査まで入り、終了後は病棟のリカバリー室でまた見る事になり、一晩中ずっと対応に追われていました。

大変な思いはかなりしていますが、この体験が特に辛かったです。

相談相手

たまに看護師同士で愚痴を言い合う程度で、相談はしたことはありません。
ブラック企業のような病院だったので、ここに就職してしまったのが運のツキだと思っていました。

辞めたいと思ったこと

辞めたいと思ったことはなかったです。
元々急性期が好きだったのと、地方の病院のわりには給料が高かったので。

アドバイス

急性期は患者様の「死」と隣り合わせなので、気が抜けない事が多いです。

家に帰ってもアラームの音が耳元でなっている気がしたり、仕事のハイパーのせいで逆に眠れなかったりする事があります。
プライベートは完全にオフになれるよう、しっかりリズムを作ってやっていくのが一番いいと思います。

また急性期看護はスピードも要求されるので、向き不向きがあります。
しかし知識と体が慣れてくれば、変化が目に見えて面白いと思いますので、それまでの辛抱だと思います。

急性期が好き

S.Iさん(女性20代)
大学病院6年

大学卒業後、6年間都内の大学病院に勤めました。
その間に結婚をしましたが、フルタイムでずっと働いています。

勤務している病院

都内でも有名な大学病院でした。
国立の病院でしたが、メリハリがあるというか、集中できる職場でした。

大変だったこと

とにかく業務量が多く、覚えることが多くありました。
日勤のときは朝も早く、帰宅は21時を過ぎるのが当たり前でした。
家ではただ寝ているだけで、食事は外食やスーパーのお惣菜だったので、不健康だったと思います。

病院では、日々患者さんの状態が目まぐるしく変わります。
人数の少ない中での急変だったり、夜間に巡回した時に心停止していることもありました。

自分の経験年数があがってくると、自分が先頭に立って後輩をまとめながら仕事をすることになります。
急変の多い夜間の責任者を務めることは、すごく不安でした。
私たちの対応次第で命が救えるかどうかが決まるので、一番近くにいる看護師の責任は大きいなと思います。
また大学病院だからか、医師にもある程度の知識を求められ、意見を言い合う場面もありました。

一番辛かったこと

患者さんの急変に対し、自分が何もできなかったことがありました。
まだ若い時だったのですが、何のためにいるのか分からなくなり、すごく落ち込みました。

相談相手

先輩に相談しました。
「経験がないことはできなくても仕方ない、それだけリスクの大きい仕事をしているということに気づけて良かった。」
と、言ってもらえました。

辞めたいと思ったこと

自分のできなさに辞めたいと思ったことがあります。
少し冷静になって落ち着くと、逃げずにもっと勉強しようと自然に思うことができました。
結局この仕事が好きなんですよね。

アドバイス

急性期病院は他に比べ、命に関わることが多いと思います。
自分である程度予測して動かないと、いざその時になったら何もできないことが多いです。
自分がそういう仕事についていると意識して、日々行動できるといいなと私は思います。

気が張っているだけでは疲れてしまいます。
休日は好きなことをしてリフレッシュし、心もリラックスさせてあげて下さい。

まとめ

いかがでしたか?
急性期の看護は本当に忙しい、慌ただしいことがわかりました。

急性期にはやりがいもありますし、経験を積むこともできます。
覚えることも多いですし、体力がある若いうちに挑戦してみるのもいいですね。