新人看護師が辞めたいと思うのはどんな時?4人のベテランナースの新人時代

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日々頑張っている新人看護師さん、こんにちは!

憧れだった看護師。
希望を持って働き始めたはずなのに・・・、こんなはずじゃなかった・・・
そう思っていませんか?

不安と緊張の連続
覚えることは多い
先輩や上司との人間関係
慣れない環境

新人看護師さんの悩みはつきません。
時には「もう辞めたい・・・」と思い詰めてしまうことも。

今回は、4人の看護師に「新人の辞めたい時期をどう乗り切ってきたか?」をインタビューしてみました!
この記事を読めば、続けていける方法がきっと見つかりますよ!

厳しい主任のキツイ言葉・・・

E.Eさん(女性20代)
総合病院6年

専門学校卒業後、新卒で総合病院に入職しました。

新人時代に働いていた病院

総合病院でHCU、OPE室のほかに、7病棟ある病院です。
現在も働いています。

その病院を選んだのはどうして?

専門学校の実習で何回か行かせてもらっていました。
なんとなく病棟内の雰囲気や患者さんなどを知っている気になってしまい、安易な考えで病院を決めてしまいました。

家から近かったのも、選んだ理由のひとつです。

辛かったこと

今思えば当然なのですが、学生の実習とは指導内容が全く違っていました。
実習の時にお世話になった指導者さんがほぼいなくなっており、1年目の教育としてはつらかったです。

また、その当時の主任がかなり厳しい方でした。
「そんなあやふやな知識で患者さんのところに行かないで!」
「それ何の薬かわかってるの?わかっていないのに触らないで!」
など、なかなか厳しい事を言われました。

先輩ナースとの関係

1番年の近い先輩には、意地悪なことをされました。
本来先輩がやるべきことを押し付けられたこともあります。
友好な関係とはいえませんでした。

教育担当の先輩は、とても優しい先輩でした。
主任や師長から指導を受けたら、一緒に振り返りをしてくれました。
また気分転換に飲みにつれて行ってもらったりと、とてもよくしていただきました。

辞めたいと思ったこと

1番やめたいと思ったのは、あるターミナルの患者さんを受け持っていたときです。
当時、ターミナルの患者さんを受け持たせてもらうようになったばっかりで、疾患などの勉強も含め、毎日とても忙しくしていました。
それでも私なりにその患者さんや家族に対して最善を尽くし、日々受け持ちをさせていただいていました。

ある時その患者さんに対して、少しのミスをしてしまいました。
主任には「あんたに見てもらう患者さんは本当にかわいそう」と言われました。
確かにミスをしたのは私です。
落ち込んでいるときに、追い打ちをかけるその言葉。
辛くて、あの時は本当にやめようと思いました。

新人ナースにアドバイス

どんな病院でも1年目はしんどいです。
つらいです。
それでも「あの時先輩が言っていた事は、こういうことだったんだ。」と思えるときが絶対にきます。
今諦めなければきっといい看護師になれます。
頑張ってください!

何もできない自分に無力さを感じて・・・

H.Aさん(女性40代)
大学病院4年後 市民病院8年

大学病院勤務後、結婚育児のため一旦休職。
その後市民病院にて復帰。
自営業の夫、4人の子どもの6人家族です。

新人時代に働いていた病院

大学病院の小児外科病棟に勤務していました。
現在は夫の自営業を手伝うため、看護師は休職中です。

その病院を選んだのはどうして?

大学病院附属の看護専門学校卒業しました。
同時に、同病院小児外科病棟に勤務。
子どもが好きで、小児看護の講師として教えてもらった看護師長の病棟を希望して入職しました。

辛かったこと

手術を入院目的としている15歳以下の小児の病棟です。
小児がん(脳腫瘍や骨肉腫など)や水頭症、口蓋裂など生まれながらの病気、命に関わる病気と闘う子どもたちが多数いました。
またその難病のために繰り返される虐待を見てきました。
(もちろん虫垂炎や鼠蹊ヘルニアなど、数日で退院できる子どももいました。)

新人の自分にできることがとても少なく、無力さを感じました。
亡くなっていく子どもたちに何をしてあげられただろうという思いが繰り返され、消化しきれず、常に苦しかったことを今でも忘れることができません。

先輩ナースとの関係

どの先輩も毎日懸命に仕事にあたっておられ、とても尊敬していました。
怒られたとしても理由がはっきりしていて、その後もさっぱりとした態度で後を引かず、関係は良好だったと思います。

先輩同士では仲が悪い人もいたようでしたが、後輩いじめをしたり、嫌みをいうような空気はまったくなかったです。
命がけの子どもたちがそばにいるのに、とてもそんな馬鹿らしいことはしていられません。
一丸となって頑張る看護師集団だったと思います。

辞めたいと思ったこと

スタッフが3人の深夜帯で緊急手術が重なったり、急変して亡くなる子どもがいたりした時に、優先順位がわからず対応できなかった時。
先天異常で命を取り留め、やっと退院した生後1年未満の子どもが、その後母親から虐待を受け、緊急搬送されてきた時。
夜間帯の巡回で問題なかった子どもの点滴が1時間後の巡視で漏れていて、その内容が高濃度のものだったため、そこが壊死してしまい、その治療で3ヶ月近く入院が延びることとなってしまった時。

特に印象に残っている体験です。

自分の力の無さや失敗を痛感した時、何度も辞めたいと思いました。

新人ナースにアドバイス

新人は「自分に何かできることは?」と、いつも新鮮な気持ちで仕事にあたることができます。
しかし無力さに悲しくなって、看護師でいることから逃げたくあることもよくあると思います。

何事も経験、経験をつまないとわからないことは案外多いです。
続けてみてください。
ある日、ふっと楽になる日が必ず来ると思います。

ミスから患者さんと接するのが怖くなり・・・

R.Nさん(女性20代)
急性期外科病棟1年、個人クリニック1年

急性期外科で1年間勤務後、個人クリニックで働いています。

新人時代に働いていた病院

総合病院の急性期外科病棟

その病院を選んだのはどうして?

就職先の病院が決められず悩んでいたところ、先輩が看護師として働いていた病院を紹介されました。
看護師同士の関係性がよく、教育制度もしっかりしている、残業代がきちんと出る、などのことを重視していました。
現場で働いている先輩から直接話を聞いたことで安心感があり、就職を決めました。

辛かったこと

始めの頃はほとんど何も分からない状態で、まったく仕事ができませんでした。
先輩や患者さんに迷惑をかけてばかり。

看護は一つ一つの仕事が患者さんの生命に直結することであるため、「多分こうだろう」と憶測で行動することはできません。
一つ一つ確認しながら業務を進めていくため、先輩看護師の足手まといになることも多く、できない自分が辛かったです。

先輩ナースとの関係

中には細かいと思えることに関して厳しく注意してくるなど、理不尽だなと思う先輩もいました。

しかし私がいた職場の先輩は、助けを求めると快く手を貸してくれたり、助言をしてくれる優しい人が多かったです。
特にプリセプターの先輩には、仕事で悩んで辞めたいと思ったときも正直な気持ちを相談することができました。

辞めたいと思ったこと

一歩間違えば、患者さんの生命に関るような重大なインシデントを起こした時です。
患者さんと接するのが怖くなり、辞めたいと思いました。

その後同期や先輩からのサポートを受け、気持ちを持ちなおして1年は仕事を続けました。
しかし仕事に対する責任の重さや、命を預かる怖さを克服できずに退職してしまいました。

新人ナースにアドバイス

仕事がつらいときは自分1人でため込まず、必ず誰かに相談してください。
辛い、怖い、辞めたいという正直な気持ちを、先輩や同期に話すことも大切です。

そうすることで気持ちが楽になり「また頑張ろう」と思えるかもしれません。
また周りが気にかけてくれるようになり、いろいろなサポートを受けられ、仕事がしやすくなると思います。

先輩の陰口が辛い・・・

O.Gさん(女性30代)
病棟勤務8年

個人の総合病院に勤めている30歳です。
実家の近くで一人暮らししています。

新人時代に働いていた病院

個人の総合病院で病棟勤務です。

その病院を選んだのはどうして?

同じ出身校の先輩が多く勤めていたからです。

辛かったこと

先輩が「あの子(私)とは一緒に働きたくない」と陰口。
わざと私に聞こえるように言っていたことが辛かったです。

先輩ナースとの関係

プリセプターの先輩とは、最初は良好な関係だと思っていました
ただ同じ失敗を繰り返して悩んだりしても、1人で抱え込んで、なかなか先輩に相談出来ませんでした。
その上、ミスをして困らせてしまいました。
今思えばもっと頼っていたら、関係も良好だったのかもしれません。

辞めたいと思ったこと

仕事の優先順位がつけられなくて、患者さんが不穏になっていても、上手く対応することができませんでした。
勤務を終えた先輩が対応してくれましたが、「何故あなたが対応しないのか。」と散々怒られました。
結果その場にいた先輩たちが、口々に私とは働きたくないと言い出しました。
プリセプターの先輩も一緒になって言っていたのが辛かったです。

自分が悪いとはいえ、誰もフォローしてくれない、自分は1人なんだと悩んで、辞めたいと本気で悩みました。

新人ナースにアドバイス

わからないことや悩み事はそのままにはせず、自分にとって1番身近な先輩に打ち明けること。
また、自己判断で患者さんに関わったりしないこと。
先輩から1人でやっても大丈夫と言われるまでは、移乗動作や採血等も指導を受けて行うこと。

とにかく自己判断で行動することはやめましょう。
何かあった時に患者さんには苦痛を与え、他の看護師さんには迷惑がかかります。。

まとめ

いかがでしたか?

今はベテランと言われている先輩看護師さんにも、がむしゃらな新人時代がありました。

自分自身の技術の問題、先輩ナースとの関係・・・
みなさん悩みや不安を乗り越えて、頼りになる看護師になったのです。

辛いことも多い新人時代。
誰かに相談したり、うまく吐き出して、上手に乗り切りましょう!
今は「経験を積む時間」と割り切ることも大切ですよ。