3ヶ月で退職?! ブラック耳鼻科クリニックからの脱出に成功した看護師の体験談5つ

仕事を短期間で辞めたことはありますか?
よく、短期間で仕事を辞めるときに、言われる言葉があります。
「3か月で辞めるって、あなたに忍耐力がないだけでしょ?」

いいえ、違います。
よく考えてみれば、むしろ危険を回避したと言えるでしょう。

中には、ブラック企業も真っ青な病院もあります。
ドクターの業務を看護師に押し付けたり、看護助手に医療行為を強制する職場も一部あります。
そんなブラック・クリニックの実態を知れば、「興味はあったけど、やっぱやめた」なんてことになるかもしれません。

今回は、ブラック耳鼻科クリニックでの出来事をご紹介します。
ブラックな実態なので、ここでコッソリ紹介したということにしておいてください。

手袋なしで点滴・採血

危うく感染させられるところだった

K.Yさん(27女性)
当時の勤務先:耳鼻科クリニック

総合病院の耳鼻科で5年働いていました。
半年自力で転職活動を頑張って、やっと耳鼻科クリニックに雇ってもらえたのです。
もうダメかもしれないと思った矢先に、勤め先やっと決まって、ほっとしました。
まさか、3か月で病院をこそこそと去ることになろうとは。

勤務先はとんでもないクリニックだったのです。

仕事内容は、丁度花粉症のシーズンでもあったからか、採血と点滴だけ。
給料も安かったです。

面接では、「採血と点滴ができればいいから」と言われましたが、本当にそうだとは…。
正直、困惑しました。

しかも、経費節約のために、手袋が禁止されていました。
あり得ない。

実は、これだけではないんです。
普通、診察には看護師しかつかないはずですが、診察や検査の介助をするスタッフが全員看護助手でした。
器具も、本来使い捨てのものを消毒して使いまわしをしていました。

耳鼻科は、副鼻腔炎、MRSAなどの感染症の扱いが特に多いです。
一般科より感染に気を付けるべき診療科だと思います。

また、粘膜に器具を直接当てるので、器具の消毒を怠ると患者さん間で血液感染を引き起こす確率が高まります。
自分も患者さんへも感染対策を取る必要があるのです。
院内感染でも起こしたら、患者さんから訴訟を起こされることもあり得る話ですから…。

私は先輩に、助手を診察介助につけたり、手袋の禁止をやめてほしいと院長に相談することはできないか聞いてみました。
先輩からは「コスト削減のため。嫌ならやめればいい」と言われました。

先輩にまでそんなことを言われ、ものすごくショックでした。
私は悩みました。
せっかく決まった職場だし、辞めたくない。
だけど、感染が怖い。
訴訟もないとは言い切れない。
そうしたら、このクリニックだって、立ち行かなくなるのでは?

そんなことを考えて、出した結論が手袋だけはするということでした。
ここで勤務を続けるには、手袋は必須。
だから、自分だけ自腹で手袋を買って、処置の時に着用するようにしました。

ですが、手袋を着用しだした途端、院内の全員からイジメを受けるようになりました。
買った手袋をズタズタに切り裂かれ、用意した注射器を隠される。

そんなことが一か月半続き、精神的にも限界に達しそうだったころ、辞職を決意する決定的な出来事が起こりました。
私は、感染症の患者さんを採血した針で先輩に刺されそうになったんです。
とっさによけたら、先輩に「チッ」とか言われました。

命の危険を感じたので、一刻も早くクリニックを辞めたいと思い、その日の昼休み中にクリニックを抜け出しました。
もう、勤めていたクリニックの近くでは働けないので、引っ越しをしてまたイチから仕事を探そうと思っています。
まだ、耳鼻科でやってみたいと思っているのでもう一度耳鼻科に挑戦してみようと思います。

お金になる検査

お金を巻き上げる医者

U.Aさん(35女性)
当時の勤務先:耳鼻科クリニック

私は、近所の耳鼻科クリニックにオープニングから勤めていました。
実は、夜勤のないところで働きたかったし、施設がキレイなのにちょっとワクワクしていました。

でも3か月で辞めました。
診療方針が最悪だったからです。

院長の頭の中にはお金のことしかなく、特に、初診の患者さんには、症状にこじつけられる思いつく限りの検査をしていました。
耳が痛いとうったえる患者さんには、耳掃除、聴力検査、レントゲン甲状腺のエコーと採血を絶対にします(汗)。

患者さんの支払金額は平均1万円を下りません。もちろん、3割負担でこんなに払わされます。
そして、常連の患者さんを「カモ」と呼び、絶対に月1回はエコーや標準純音の聴力検査、採血をしていました。

1割負担の患者さんには、聴力検査は毎回、採血の項目や回数を増やしていました(滝汗)。
でも、患者さんに言うことは「少しずつよくなってきていますよ。続けていきくことが大切です」毎回同じで。

それに加えて、自分の都合で患者を診るスピードが変わり、急いでいるときは蓄膿の患者さんの鼻吸引もしない。
医者の個人的な都合で、患者さんが3時間待ちになるこありました。
正直、気が狂いそうなくらい嫌でした。

人の手を借りたくないのか、レセプトだけは院長自身が夜から朝にかけて院長室にこもってやっていましたね。
レセプトをしているときは、勤務の終わりに院長にお茶を持っていかなければならない、という決まりがありました。
私がお茶の当番だった時、レセプトをのぞき見したら、点数は通常の耳鼻科の3倍でした(溜息)。
髪の毛がテカテカしてたので、レセプトの間中、お風呂入ってなかったのかも…(恐怖)。

私は耐えられず、3か月でやめました。
夜勤はないし、職場もキレイでしたが、オープニングスタッフだと施設の様子がわからないのが難点だと感じました。
今後は、オープニングスタッフをさけて職場選びをすることになりそうです。

事務までやるハメに

ケチな院長

A.Gさん(32女性)
当時の勤務先:耳鼻科クリニック

私は、耳鼻科クリニックにオープニングスタッフとして入職した12年目の看護師です。
大学病院の耳鼻咽喉科で働いていましたが、新しい環境に挑戦したかったのです。
もともと、大学病院勤務だったので、経験を買われたんだと思っていました。。

でも、転職に失敗しました。
検査説明のパンフレットや作業手順のマニュアルをつくって、と言われてしまったのです。

しかも、看護や処置をしながら。
くしくも、ちょうど花粉症の時期でした。

耳鼻科って花粉症の時期は、内科外来をしのぐ患者数なんです。もう、てんてこまいです。
インフルエンザの注射、アレルギーの採血なども多かったです。

消毒や器具を渡したり、ファイバースコープの介助や外来オペ介助、点滴や注射、ネブライザーや吸引器具など準備や片付け。
そして、耳と鼻用の綿棒を毎朝作っていました。これ、慣れるまで時間がかかりました。

そういった業務をこなしながら、パンフやマニュアルを作っていました。
当然、普通に作っていたのでは追い付かなかったので、昼休みもつぶし、時には、徹夜をすることもありました。

正直、疲れました。しかも、頑張ってパンフやマニュアルを作っても、のらりくらりとかわされて、残業代が出なかったです。

そうなってからはもう、後悔ばかりです。大学病院を辞めなきゃよかった。

新しい環境で、事務作業をすることで、あらためて覚えたこともあります。
でも、使った時間に対しての対価が無いのはあまりにも悲しいです。

転職して3か月ですが、違う耳鼻科に転職しようと思っています。

レセプトをやらされて。

K.Tさん(36女性)
当時の勤務先:耳鼻科クリニック

私は、病棟で働いている看護師です。
近所にできた耳鼻科クリニックで一時期働いてました。
病棟の環境がマンネリ化してきたので、新鮮な気分を味わいたくて、病棟から転職しました。

でも、看護師業務以外の仕事が嫌で、1年で病棟へ戻りました。

耳鼻科クリニックでの仕事は、点滴や採血はもちろんのこと、レントゲン、吸入、聴力検査などでした。
看護師でなくてもできる仕事までやらされるのが苦痛でした。
受付やレセプト、挙句の果てに草むしりや花の水やりから院内の掃除まで看護師の役目でした。

しかも、受付時間は18時まででも、患者さんの数次第で残業になりますね。19時や20時は当たり前。

パートさんはラクそうでうらやましかったな。

家が近いパートさんは、お昼休みに家で家事してたみたいです。
子どもが小さいスタッフは急に休むことが多かったけど、他のパートさんが出勤して、フォローしあってましたね。
帰りの時間も迎えやらなにやらって、調節してもらえてたみたいだし。

クリニックに勤務している間中、先輩やパートさんに「病棟に戻りたい」と愚痴ってしまっていました。
みんな優しかったな。グチを聞いてくれて。

クリニック勤務は病棟と違って新鮮でした。
でも、看護師の資格がなくてもできる受付やレセプトや掃除は苦痛で仕方なかったです。
結局、3か月…いたかな?

今は、もといた病棟で楽しく働いています。

病名を付けるカルテ係

忙しいわ、イジメられるわ…

D.Aさん(35女性)
当時の勤務先:耳鼻科クリニック

耳鼻科って特殊な科だと思います。

子どもがいるので、夜勤がないとありがたいと思い、一時期耳鼻科クリニックに勤めていました。

耳鼻科クリニックの仕事は、とてもたくさんあります。
私はパートでしたが、勤務時間が短いこと以外は、正社員と同じように仕事をしていました。

診療の介助をはじめ、器具の洗浄殺菌、汚物処理。
乳児から中学生くらいまでの子の頭部を手で押さえて固定したり、点滴や静注などの処置、めまいや顔面神経の検査介助など。

検査の種類も多いですよ。標準純音聴力検査、鼓膜内視鏡、鼻鏡検査などは一例ですが、15以上も検査があります。

耳鼻科クリニックって意外と風邪やインフルエンザの患者さんも多いですよ。
ここは小児科?って思うくらい小さい子も多かったです。

特にイヤだったのが、カルテの係です。患者さんへの処置や症状で病名付けてました。ここに来て初めて病名つけましたよ…。だって、医者の仕事では??
そして、処置チェックもするんです。
処置の付け忘れや間違いがあると料金変わっちゃうから、やりたくなくて。
せめて「もう少し慣れてからお願いできませんか?」と年下の先輩看護師に聞いたら、カルテ荒らされたり無視されたり、イジメられました。

結局3か月持ちませんでした。

まとめ

どうでしたか?先輩たちが3か月で辞めた理由がわかってもらえたと思います。
もしかしたら、「耳鼻科クリニックへの転職はやめた方が無難かも…」と考えてしまうかもしれませんね。

でも、せっかく耳鼻科クリニックに興味を持ったなら、ここに載っている体験談を参考にしてくださいね。
一部のブラックな耳鼻科クリニックに引っかからないためにも、職場のことをしっかり調べてから応募しましょう。

あなたの新しいステージが輝く場所でありますように。