回復期の病棟に勤めて10年目の男性看護師です。
急性の知人から、よく回復期ってどうなの? と聞かれます。
急性や終末に比べ、確かにわかりづらい点があると思います。
当病院は求人も出しているのですが、いまいち回復期について伝わっていないようです。
回復期の病棟に転職を考えています、でも回復期の病棟って何をするのだろうか?
そんな漠然とした悩みを持っている方に、Q&Aで回復期について理解を深めていただければと思います。
回復期の看護とは?
回復期は、病気が回復に向かっている期間のことです。
疾患ごとに、在宅復帰できる状態に戻るまで入院してもらいます。
毎日、短時間のリハビリを支援し継続的に疾患のある機能の回復を促します。
在宅復帰に向けて、患者さんの家族と定期的に面談し、チームでフォローっぷしていきます。
どんな仕事をしていますか?
疾患ごとにさまざまです。
主にリハビリのサポートや食事・排泄の介助、服薬管理にバイタルチェック、採血や点滴、カテーテル管理などが中心です。
また、チーム制となっており多数の専門家が関わってきます。
在宅復帰が最終的な目標ですが、その目安として社会復帰されるまでという目標を位置づけています。
たいへんなことは?
身体の機能が十分でない患者さんが多いので、トイレの付き添いや体位変換などの力仕事が多いことです。
また、身体が自由に動かなかったり、リハビリが思うようにいかない患者さんの精神面のサポートが重要になってきます。
回復期リハビリテーション病棟で働くメリット・デメリットはありますか?
メリット
・患者さんに向き合ってじっくり看護できる
・チーム医療ができる
・回復期の過程が見れる
デメリット
・医療行為は少ない
・夜勤が大変
・体力的な負担が大きい
やりがいはありますか?
はい。あります
患者さんが、リハビリをして良くなっていく過程を見たり、回復が実感できた時、退院していく姿を見た時など、やりがいを感じます。
家庭との両立はできますか?
はい。多くの看護師さんが両立しています。
家庭を持っている看護師さんやママさんナースなどには人気があります。
なぜなら、計画入院や、予定退院がほとんどですので残業が少ないからです。
給料は?
給料は一般の看護師さんと比べると少なめです。
しかし、回復期リハビリテーション病棟の入院料が、他の病棟に比べて高い場合は、急性期並みの給料がもらえることがあります。
また、リハビリテーションの認定看護師や摂食・嚥下障害の認定看護師など、リハビリテーションに関わる認定看護師の資格取得することにより、給料アップを目指すことができます。
残業や夜勤は?
残業はほとんどありませんが夜勤はあります。
夜勤専従職員を雇用することで、日勤専従の常勤雇用も可能にしている病棟もあります。看護師不足なので看護師の確保に向け、勤務の要望に応えるような傾向があります。
しかし、介助が必要な患者さんが多いため、排泄介助や体勢移動などの仕事が夜勤中にあるので、ナースコールの回数は多いです。
ただ、夜間の救急搬送や緊急入院などがないため、急性期病院と比べるとラクです。
医療行為に携わることは少ないんですか?
急性期病院に比べると医療に携わることは少ないです。
しかし、回復期ならではの経験や勉強、回復過程を見ることができます。
向いている看護師さんは?
患者さんのペースに合わせ、しっかり向き合っていく看護がしたい人や、さまざまな職種と連携しながら看護がしたい人にはおすすめです。
逆に、せっかちな看護師さんは向いていないかもしれません。
なぜなら、患者さんの状況に応じ、身体の状態や精神面も考えながら対応していく必要があるからです。
新卒でもOK?
新卒者を歓迎している病棟は多いです。
状態としては安定している患者さんが社会復帰するための支援を行うので、経験を積んでいく中で知識が身についていきます。
そのため、ブランクがあっても、経験が浅くても働くことが可能です。
パートとしても働けますか?
パートとしての求人数も多くなってます。
週に数回の勤務や午前、午後だけという働き方もできます。人手不足ということもあり、育児休暇や時短勤務などの福利厚生の制度を充実している病院も多くあります。
回復期リハビリテーション病棟に転職する際の志望動機はどうしたらいいですか?
患者さんのペースに合わせて寄り添った看護がしたい、連携やコミュニケーションををとりながら看護がしたい、在宅復帰をサポートするような看護がしたいなどの理由を伝えるといいです。
回復期リハビリテーション病棟へ転職のポイントは?
転職の際に夜勤体制や患者数、他科との連携について把握しておくと安心です。
そのためには、事前の情報収集が必要ですので転職サイトの利用がおすすめです。
回復期リハビリテーション病棟は、患者さんが、リハビリをしていく中で、少しずつ身体の機能を回復していく過程や変化が見れ、他ではなかなか得られない喜びを感じることができます。