看護師は昇給しにくい?
看護師としての勤務を続けるにあたって、気になることのひとつが昇給だと思います。
「看護師は初任給は高いが昇給しにくい」という話をしばしば耳にしますが、これは本当なのでしょうか?
厚生労働省の平成26年賃金構造基本統計調査によると、新社会人である20歳~24歳において労働者全体の平均年収は約301万円なのに対し看護師(女)では約378万円と高くなっています。
これが50~54歳での値を見ると、労働者全体の平均年収は約597万円、看護師(女)では約519万円というなっており逆転しています。
この結果から、看護師の初任給は高い水準から始まりますがその後の収入の増加は低めであると言えます。
ただ、これは昇給率が低めの傾向ということもあるのですが、看護師は女性が中心のために結婚や出産・育児などのライフイベントにより働き方を変更することが余儀なくされるためという面もあります。
キャリアが中断してしまったり、家庭の事情で夜勤に入れないなどで、収入が低くなってしまうのです。
また看護師は一般企業に比べてポストが少なく昇進の機会が少ないために昇給しにくいという事情もあります。
施設により異なる昇給事情
昇給については勤務先の病院により事情が異なります。
国立病院や公立病院勤務の看護師の場合は公務員扱いとなるために国や地方の基準があり、比較的安定して昇給する傾向にあります。
これに対して民間の病院やクリニックの場合はまちまちで、昇給率の高いところもあれば、中には昇給が無いというケースも。また業績によっては減収ということもあり得ます。
企業看護師では一般企業の会社員と同じように昇給していくところが多く、比較的給与は高くなるようです。
各種手当による収入アップ
基本給の昇給率が小さいところであっても、キャリアを積むことで各種手当が付くようになり年収が増えるというケースも多いです。
たとえば規模の大きい国立病院などであれば、役職につくことで手当がもらえるために看護部長などでは年収800万円以上という看護師もいます。
ただし一般企業にくらべると看護師の役職は少ないため、勤め続けていても必ずしも役職につけるとは限らないので注意が必要です。
また、専門看護師や認定看護師の資格を取得すると手当が付くところもあります。
ですが、中には役職についたり認定看護師になったりした結果、日勤の仕事が増え夜勤が少なくなって夜勤手当が減り、減収となってしまったというケースもあります。
昇給が頭打ちなら転職も
初任給は同程度でも昇給率によって数年後の年収は大きく違ってきます。
昇給の見込みの無い職場の場合、収入アップのためには転職が手っ取り早い方法です。
転職サイトの求人情報では昇給についても確認できるところが多いので、そうしたサイトを利用するのがおすすめです。