シングルマザー看護師に読んで欲しい 転職のヒントにしたい体験談4選

子育てと仕事を両立しているシングルマザー看護師のみなさんおつかれさまです。

子育てと仕事だけでも大変なのに、転職したらやっていけるかどうか心配。
だけどもし、条件の良い職場があれば転職したいと思いませんか?

ここでは、4人のシングルマザー看護師が転職に成功した話・思いとどまった話・失敗した話を紹介しています。
じっくり読んで、あなたのこれからのヒントにしてみてください。

転職に成功したシングルマザー看護師の話

自分が輝ける場所

T.Iさん(35女性)
勤務先:介護施設

シングルマザーの私は、仕事を覚えられるうちに頑張ろうと思い、看護師になりました
そして、35を過ぎて新人看護師として働き始めました。
運よく療養の病棟配属になりましたが、地獄の日々でした。

入職から半年たっても覚えが遅く、自信なく業務を行う日々でした。
毎日同じ間違いを繰り返して自分より10歳も若い看護師に注意されていました。

多い時は一人で20人看ました。
おむつ交換と吸引の処置をしていると定時に間に合わず、いつも申し送りの時間が押してしまいます。
それでも時間が足りないので、記録が終わるころには21:00くらいまでかかっていました。
看護師になってお金に余裕ができたものの、小学生の子どもの夕食はいつもお弁当になってしまいます。
申し訳ないと思いつつ、食事を作る気力もわいてこない日々でした。

仕事もいつまでたってもアセスメントができず、指示もうっかり忘れることが多かったです。
ルート確保や採血さえも一人では不安で、同僚に代わってもらうことがしばしばあり、最初は快く代わってくれた同僚からも「また?」とイヤな顔をされるようになっていました。

半年たっても技術を覚えられない私に対して、先輩からやる気はあるのかと何回も質問されました。
当然、やる気はあるのですが、手技が追い付きませんでした。
引継ぎの人に大変な思いをさせたことも数えきれないくらいあります。

私の前ではフォローしてくれる先輩にまで、裏では悪口を言われていました。
直接何か言われることはありませんが、何となく雰囲気でわかります。

そして、師長から、覚えが遅すぎるという理由で、他の仕事先を探した方が良いのではないかと退職の話を持ち掛けられました。
悲しかったですが、ついにこの時が来たか、という気持ちもありました。

私は、転職先を探しました。
ですが、入職半年で何もできない看護師を雇ってくれるところがカンタンに見つかるはずもありません。
OKの返事をくれるのは「誰でもいいからとにかく人が欲しい」という気持ちが見え見えで、拘束時間が長くて給料が低いいわゆる「ブラック病院」くらいです。

師長に次が見つからないと相談したところ、介護の関係はどうかとアドバイスをもらいました。
そこで、医療系で探していたのを介護系に切り替えたところ、今の勤務先にたどり着くことができました。
今は、医師が常駐する介護施設に勤めています。
まあまあ稼げるし手技があまり必要なくて、私以外にも何人か看護師がいる施設でした。

ぶっちゃけ、できない看護師が来るようなところでした。
でも、私にとっては天国でした。
こういった施設では、介護士との住み分けが大変と言われていますが、先輩があまりキツくない人で、あくまで介護士を立てているので、特に争い事はないように思います。

医療処置が少ない施設なので、清拭や処置を中心に行っていますが、丁寧でキレイだといわれます。
これまでの看護師生活で褒められたことがなかったので、涙が出るほどうれしかったです。
師長の勧めで転職した場所ですが、自分が勤めていて幸せな気分になれる職場に勤務することは大事なことだと思いました。

転職に失敗したシングルマザー看護師の話

転職を焦ってしまい…

K.Dさん(30女性)
勤務先:クリニック

私は、夫との離婚で引っ越しをして、地域の中規模病院へ転職しました。
当初はとにかくお金を稼ぎたい一心で転職活動をしており、働けるならどんな病院でもいいと、藁にもすがる思いで入職しました。
でも、勤めて5年経ったときに病院の雰囲気が暗く感じるようになってきました。
先輩の顔色が悪いからかもしれません。
特に、10年くらい働いている先輩の健康状態がとても悪いんです。
首や腰を痛めて勤務できなくなる先輩も目立っています。
患者さんよりスタッフのQOLが心配になってしまう。
看護師のがんの罹患率も多くて、病院にいるだけでウツになりそうな環境でした。

私は早く職場を変わりたいと焦り、転職に失敗しました。

転職先はクリニックで、面接で提示された条件は勤務時間が7:50~17:00、少し残業あり。
木日土曜午後休みで、給料は年収500万円のところでした。

実際働きだすと、毎日3時間残業は当たりまえだし、定時で帰れる日はありませんでした。
帰宅は早くて20:00、遅いと21:00くらいです。
しかも、子どもの体調不良で仕事を早退するときは、給料を大幅に減らされます。

結局経済的にも苦しくなるし、夜は子どもを待たせることになってしまい、一人で夕飯を食べてもらう環境になってしまいました。
子どもは連日泣いて私を出迎えます。

もともとパートが募集されていましたが、常勤で雇いたいといわれての入職でした。
雰囲気は良かったのですが、忙しかったため、あまり見学に割ける時間もなく決めてしまったのがいけなかったです。

今更ですが、東京の友人に聞いてみたところ、クリニックの給与は400万いったらいい方。
年収500万円はどう考えても怪しすぎるといわれました。
今のクリニックは誰でもいいから人が欲しくて、私を雇ったみたいです。
このまま働き続けたら自分の負担が大きくなってしまうので、次の転職先を探しているところです。

転職を思いとどまったシングルマザー看護師の話

病棟は意外と好条件

T.Nさん(33女性)
勤務先:病棟

私は30代のシンママ看護師です。

シングルになってから看護学校に通い、資格を取りました。
離婚した時に実家を頼れなかったので、7才と5才の子供を抱えて学校の寮に入りながら根性で頑張りました。

初めて夜勤に行くときは、子どもたちを家に残すのはとても不安でした。
でも、いざ夜勤に入ったら意外とケロッとしていたので助かりました。
夜勤を始めて3年が経ちました。
夜勤は人数が少ないせいもあって、緊張しっぱなしでストレスが多いんですよね。
子どもたちとせめて夜くらい一緒に過ごしたい、自分の趣味をしたいという気持ちも強くなってきたので、転職を考えていました。

日勤で働き、子どものとの時間も欲しいので、自宅近くのクリニックが妥当だと思いました。
そして、何件か面接に行ったことで、クリニックのメリットとデメリットが見えてきました。

・メリット
・日曜日は必ず休み
・夜勤が無いので、体はラク

・デメリット
・年収が100万以上下がる
・退職金が10年働いていても10万くらいしか出ない
(しかも、10年働いたスタッフはいない…??退職金出す前に辞めさせられるってコト??)
・午後6時に診察は終わっても、後片付けやら次の日の準備があるので、帰路につくのが午後7時
・休み希望は通らない
・土曜日は特に忙しいから、運動会や参観日があってもすべてパスしなくてはならない
・有給もとれない
・人間関係が密すぎて、みんなの輪に入れないと居場所がなくなる

こんな感じでした。
正直、お金と休みの両面で、私にとってのメリットは見つかりませんでした。

聞くところによると、看護師の人数が多い職場だと休みやすいようですね。
週二日の休みがあり、シフト制のところなら、お互いに予定を組みながら休めるとか。
それでも土曜日に休むのは難しいと聞きます。

有給取れて、土曜日に休める、退職金も出る今の職場は恵まれていると思いなおしました。
ただ、できたら夜勤はそろそろやめたいので、師長に病棟で日勤常勤にしてもらう交渉をしようと考えています。
交渉してダメならダメで、自分の体が夜勤に耐えられなくなるまでは今の職場で頑張ろうと決めました。

異動させてもらいました

B.Bさん(35女性)
勤務先:病棟

私は、入職して4年目に子連れで離婚したシングルママナースです。
離婚の原因は、家事ができないことでした。

看護師になりたての頃は、ダンナが家事を手伝ってくれていました。
私の仕事が次第に忙しくなり、ダンナと同等に稼ぐようになると、ダンナの態度が変わってしまい…。
家事をしないなら離婚だといわれましたが、ダンナとの生活より仕事が楽しかった私は、離婚を決めました。
振り返ってみれば、ダンナとの時間が楽しくなかったから、看護師になることを選んだのかもしれません。

しかし、離婚したことで家事が滞り始めました。
部屋は散らかるし、子どもを怒鳴って泣かせるし、夜勤で子どもはさみしがるし。
そんな日々が続くうち、精神的に参ってしまいました。
職場へ出勤することさえ辛くなり、始業前の準備をするにもなぜか涙が止まらず。
涙が枯れるまで病院のトイレへ駈け込んで泣くことが続きました。
患者さんからの質問にうまく答えられないばかりか、申し送りでもレポートを持つ手が震え、話すことも困難になったこともありました。

状況としては、辞めたほうが良いところまでいっていたと思います。
転職しようか真剣に悩みました。
母子2人、看護師だからこそ生活に不自由しないけれど、病院を辞めたら一体どうなるのか。
働く場所があっても、二人で貯金をしながら暮らしていくのなんて絶対無理だと、途方に暮れていました。
そんな私を、看護学校の同級生が心配して話を聞いてくれました。

私が同級生に相談して出した答えは、異動希望を出そうということでした。
環境が変われば気分も変わるのではないかと考えたのです。
それでダメなら、一時的に日勤のみに変えてもらうというのも手ではないか。

部長は快くとはいかないものの、日勤のみはキビシイけど環境を変えたいなら、と他の病棟へ異動させてくれました。
同級生は少しの間子どもの面倒を見つつ、家事をしてくれました。
子どもも私の状況をわかってくれたのか、家事を手伝ってくれるようになったのです。
今は私が夜勤に入っても泣くことはありません。

私は、精神的な安定を取り戻しつつあります。
同じ病院内で配属を変えてもらうだけも効果があったので、同級生と部長には感謝しています。

まとめ

色々な環境のシングルマザー看護師を見てきましたが、いかがでしたか。
より良い環境を求めて転職するのは今後の人生を豊かにするためにとても大切なことです。
なぜ転職したいのかをよく考えて行動すれば、希望する未来をつかめるのではないでしょうか。