点滴や採血も? 5人のクリニック勤務の看護師が語る耳鼻科事情

耳鼻科クリニックの仕事内容は、診察介助、検査介助、検査、点滴や採血、カルテ管理など、多岐にわたります。
メインの仕事は診察や検査の介助ですが、意外に点滴や採血も多いんです。

だから、点滴や採血が嫌いな方にはキビシイ職場になるかもしれませんね。
「耳鼻科クリニックやめとこう」って思っちゃいますか?
でもちょっと待って!
まず、この体験談を読んで、どんな仕事をするのか知ってからでも遅くないですよ。

では、具体的にはどんな仕事をするのか、耳鼻科看護師の体験談をご紹介します。

耳鼻科クリニックの仕事内容

勤めやすかった

D.Eさん(36女性)
当時の勤務先:耳鼻科クリニック

私は、結婚と出産のために、勤めていた総合病院を辞め、育児に専念していました。
子どもが3才になり、保育園に入れたので、耳鼻科クリニックで復職しようと思いました。
好んで選んだわけではありませんでしたが。
近所に耳鼻科しかなかったから、選択肢がありませんでした。

でも、勤めてみると意外に良いところでした。

ママさん看護師が多く、理解がある職場でした。
子どものことでの急な休みやシフトの変更も柔軟に対応してもらえたのです。
その代わり、他の看護師が休んだ時は私が代わりに出るときもありましたよ。
そこは、お互い様ですよね。

仕事内容は、診察や処置の介助がメインでした。
耳や鼻の診察と処置をするときに、患者さんが不意に動かないよう、頭を押さえるんです。
小さい子は普通に「イヤイヤ」と頭を振ってしまいますが、大人でも無意識に頭が動くことが結構あるんです。
子どもを押さえるイメージはありましたが、大人を押さえるイメージはなかったので、私にとっては新鮮な発見でした。

器具の準備もありました。
診察で使う器具を準備して、使用後はもちろん消毒、殺菌します。
ファイバースコープや吸入も準備してセッティングしてました。

他は検査ですね。
初診の患者さんで聞こえがわるい人にはいろいろ検査しましたね。
中でも、聴力検査やティンパノメトリーはよくやりました。

そして、検査のための採血や点滴。これ、意外と多かったです。
めまいとか顔面神経麻痺の治療のために血流改善で点滴に通ってくる常連さんや、炎症とかで食事を摂るのが難しい方への点滴介助がありました。
もちろん、アレルギー検査のための採血もしますよ。

あとは、患者さんの呼び込み、吸入のやり方の指導と介助もしてました。
吸入は、鼻とのどで器具の形が違うので、間違えないように注意したこともあります。
特に、口の吸入の時は、5分ほどの吸入の時間に口を開けているのがつらくなってくるのか、結構歯でかまれることが重なり、型崩れすることもしばしばありました。
「口の吸入器具は噛まないでください」という一言を常に言わなければならなかったので、面倒だったな。

クリニックの体制も良かったです。
残業主義でなく、受付した患者さんは全員定時で内に終わらせる、という気迫がありました。
そのためか、皆で一丸となって仕事をしていたので、とても勤務しやすかったです。

楽しかった耳鼻科を振り返って

G.Mさん(34女性)
当時の勤務先:耳鼻科クリニック

少し前、耳鼻科クリニックに勤務したことがあります。

結婚・出産のため、総合病院を退職して3年目だったかな。
子どもがすこし手を離れたので、復帰するために入職しました。

特に意気込んで入ったわけでもなかったです。
でも、意外に良いところでしたよ。

看護師の仕事は、診察介助や検査、点滴や採血でした。
診察介助は、医師に器具を渡す介助をしましたね。
以前は内科で働いていたので、耳鼻科の仕事は新鮮に感じました。

花粉症の時期になると、注射療法での筋注が多かったです。

点鼻薬では症状が改善されなかったアレルギーの患者さんには、レーザー治療をしているクリニックだったので、炭酸ガスレーザーの介助もしました。
基本はこのような感じですが、医師の好みにより、検査や点滴が多いクリニックもあります。
うちの医師は別に好みはなかったようで、特に何が多いとかはありませんでした。

製薬会社へ薬品の発注をしたり、院内のお掃除や受付を手伝うこともありました。
お雛様、クリスマスなど、季節のイベントの飾りつけもしましたよ。
スタッフも勉強熱心で、補聴器の指導もありました。
そうそう、製薬会社の人が差し入れをくれるんですが、某○○苑の高級焼き肉弁当もらったこともあったな。
美味しかったですよ。
看護以外の雑用も含めて私は楽しく勤務できました。

新鮮だった耳鼻科

D.Hさん(36女性)
当時の勤務先:耳鼻科

私は、15年目の看護師です。
総合病院の内科病棟に勤めている途中で産休・育休を取りました。
復帰したのがの耳鼻科外来でした。
特に希望はしませんでしたが、耳鼻科へ行ってって言われたので、一年勤務していました。

仕事は、処置の介助が多かったです。
たとえば、鼓膜切開前の麻酔や扁桃切開、咽頭ファイバーの介助などいろいろでした。

小児科ではないですが、小さい子も多いので、小児を押さえることもよくありました。
診察中に動くと耳や鼻を傷つけることがあって危険なので、安全のために頭をしっかり固定していました。

耳鼻科でも、意外と点滴や採血などはありました。
ただ、内科と比べると少ないですね。
点滴のを行うのは、目眩やメニエール病、扁桃炎の疾患が多かったです。
採血は、アレルギーの検査や突発性難聴とか顔面麻痺で注射も含めたステロイド治療する場合にしてました。

他には、鼻からの出血の処置で、電気を使うこともありました。
これまで見たことがない処置をいろいろと体験できて、新鮮でしたよ。

耳鼻科で一年体を慣らした後、「勤務に慣れてきたなら内科病棟へ戻ってきて」と言われ、今は内科病棟に復帰しています。

ラクだと思ったら…

Y.Uさん(36女性)
当時の勤務先:耳鼻科クリニック

私は、耳鼻科クリニックで働いている看護師です。
内科、整形外科を経験してます。耳鼻科はラクそうだったので転職しました。

だけど、大間違いでした。

何が大間違いだったかというと…
受付で呼び込んで、吸入の用意するだけのイメージでしたが、
点滴、採血をはじめ、診察介助があるし、聴力検査やティンパノメトリィなど、検査もやらされるし。
検査はしょっちゅうするので、色々な検査機器のを使えるようにならないといけなかったです。
器具の洗浄もあります。オートクレーブで滅菌してました。

そして、ココは小児科か!?というくらい、小さい子の採血や点滴があります。
子ども8割、大人2割。という患者構成比でした。
うちの耳鼻科には、小さい子だと、乳児が普通に来ます。
診察では子どもの親もついてくるじゃないですか。最初はガチガチに緊張しました。

特に、血管の見えないプニプニの手に糸のような針を刺さなきゃいけないので、涙目で針刺してました。
ちなみに、点滴は得意です。

アレルギー検査のための採血、めまいやカゼへ処方された点滴も頻度多かったです。

そして、花粉症の季節はむちゃくちゃ忙しいです。めっちゃ混みます。
インフルの時期も同様。そして、気を付けないと医療従事者も感染します!!
私は患者さんからインフルもらって、一週間休んでめっちゃ迷惑かけました。サイアクでした。

ラクそうだと思ったら意外に忙しくて疲れる科でした。
おかげさまで、小児科経験ないのに、乳児の点滴が上手になりました。(苦笑)

将来、小児科に転職できそうな気がします。(笑)

充実した仕事がある場所

B.Aさん(36女性)
勤務先:耳鼻科クリニック

耳鼻科クリニックで働いています。

私は、オープニングスタッフで採用されました。
3か月くらいはわからないことばかりでしたが、
オープニングから働いたので、研修が充実していてよかったです。
研修期間のうちに、検査の仕方や機械の扱い方を勉強することができました。
その時点で頑張って覚えることができる環境だったので、恵まれていたと思います。

ベテランがいなかったことも救いだったかもしれません。
みんな未経験からのスタートだったので、わからないことも聞きやすかったのです。

仕事内容は、診察介助や検査がメインでした。もちろん、点滴や採血もあります。
診察介助では医療器具を手渡したり、子どもの頭を固定することがメインです。
たまに補足で薬の説明もしたかな。

検査では、聴力検査やチンパノメトリーは看護師に任されていました。
自分ですべてを終えるので、達成感があってうれしかったです。

めまいの検査で眼振があるのには驚きました。
眼科じゃないのに…と思いながら、介助をしましたね。
そうそう、めまいの方への点滴や血液検査もしました。
あとはネブライザーの準備や介助ですね。

大変なことは、少人数で回しているため、どうしても休みがとりづらいことですね。
そして、花粉症やインフルのシーズンには、パートでも残業の覚悟が必要です。

やりがいは、忙しい中で仕事をどうこなしていくかを考えているときに感じます。
だって、残業したくないじゃないですか。一人の患者さんの診療時間を1分短くできれば、
全体で何十分単位や何時間単位で診療時間も短くできる。
いかに効率よく動けるかを考えるようになりました。

オープニングスタッフだと、みんなで覚えていくので、勉強できる機会が多いので得だと思いました。

仕事に関しては、点滴や採血などのスキルに加えて、診察介助で器具を渡したり、検査も任されます。
そして、見たこともない機械を触るのが怖いと思ったこともありました。
季節になれば、花粉症やインフルの患者さんが普段の3倍くらいに増えるので、内科クリニックより正直、忙しいと思います。

でもその分、限られた時間の中で終わろうという意識が働くので、耳鼻科に来てから、テキパキ動けるように
なった気がします。
充実していますよ。

まとめ

耳鼻科の仕事内容をお分かりいただけたと思います。
楽しそうなイメージを持っていただけましたか?それとも、厳しいイメージを持たれたでしょうか。
点滴や採血が嫌いだと確かにキビシイ職場になるかもしれませんが、勤務の中で克服するという強い気持ちをもってチャレンジされてはどうでしょうか。

そして、掃除や花の水やりなどの雑用も職場によってはあるため、どこまでが看護師の仕事の範囲になるのかを入職前によく確認しておくことが大切です。
この体験談の看護師のように充実した仕事ができるよう、頑張ってください。