憧れの救急で働くには? 看護師が直面する理想と現実

救急に興味のある看護師のみなさんこんにちは!

看護師の憧れNo.1の診療科『救急』!
救急は”めちゃくちゃ忙しいし責任が重い”という事は知られているのに、なぜ救急に憧れるのか?
それはもちろん、患者さんの命を第一線で救うことができるからです!

とは言うものの、憧れだけでは続けられない厳しい現実があります。
ここでは実際に現役の救急看護師に、やりがいと直面する理想と現実について語ってもらいます。

救急で働けて良かった~!

仕事してる感じ!

M.Tさん(女性)

私は新卒で病棟勤務になりました。
でも、どうしても救急で働きたいと思い、1年で転職して現在は救急で3年目です。
頑張って転職をして、本当によかったと思っています。
採用してくれた今の病院にも感謝です。

救急は、命の危険がある患者さんが運ばれて来るため、「命を救ってる」というやりがいを全力で感じることができます。
勤務時間はあっという間に過ぎていきます。
とにかく経験を積んで、様々なケースに対応できるようにならなくてはなりません。
先輩がやっていることを見て覚えて、実践します。
自分の成長にもスピードが感じられて、達成感も得られます。
特に、看護師としての判断力や度胸は他の科に比べて鍛えられたと思います。

同じ時期に入職した同期は「命を預かるプレッシャーが辛い」と辞めてしまいました。
そのプレッシャーは、私ももちろん辛く感じることはあります。
でも、私はプレッシャーを覆すほどのやりがいを感じることができています。
救急には、看護師としてスキルが集約されていると思います。
実践力の高い看護師になりたいと考えている人には救急をお勧めしたいです。

救急は勉強になる!

G.Mさん(女性)

私は救急で働いて2年目の看護師です。
新卒から配属されていますが、とても勉強になる科だと思います。
周りからは「新卒でたいへんな科に配属されちゃったね~」なんて言われたりしますが、むしろ配属されて良かったと思っています。

救急は、とにかくスピード勝負です。
最初は早いスピード感に戸惑い、自分から動くことができず途方に暮れていました。
でも、救急ではいろんな症状や疾患に対応しなくてはならない為、そのスピードに慣れれば得られるものがたくさんありました。
外科や脳外科、小児科……と短期間に様々な診療科の患者さんを看ることができます。
交通事故で眼球が突出した患者さんや服薬自殺をしようとした患者さんを看る特殊な経験は、一般病棟にはないと思います。
挿管や胃洗浄などの処置や医療機器の取り扱いなど、幅広い経験が得られます。
しかも、数が多いため素早く準備・的確に介助する力がつきました。

救急に配属されたことで、自分が看護師としてスキルを身につけられていると感じます。
何かあってもパニックにならず対応できる看護師になれたので、ラッキーでした。

向き不向き

D.Dさん(5年目女性)

私は内科病棟から救急に異動して2年の看護師です。
救急で働きたいと思っていたわけではなく、強制的な異動でした。
救急でどうしても人手が足りず、私が向いていそうだからという理由の異動だったようです。
実際に救急で働けて良かったと思えているので、私は本当に向いていたみたいですね。

時間との勝負である救急は、目が回る忙しさです。
職場の雰囲気もピリピリしていて、働きやすい環境ではないと思います。
でも、私はそもそも忙しい方が好きだったことや要領よく動ける方だったので自然と救急のスピードに順応することができました。
わからないことがあると悔しくて、めちゃくちゃ勉強しました。
少し余裕がある時には、周りの先輩に質問して回りました。
それで先輩看護師から気に入ってもらえたことも、救急の環境に馴染めた要因の一つかな~と思います。

救急は、のんびりした性格の人や、能動的に行動できない人には向いていない環境です。
でも、積極的にガンガンいける私のようなタイプには働きやすいところだと思います。
正直なところ、異動させてくれた上司に感謝しています。

救急で働く上で知っておきたいこと

新人の心構え

A.Eさん(女性)

私は新卒から救急で働く4年目の看護師です。
最近、新人で救急に配属されて早い段階で辞めてしまう人が多いな~と感じています。
私自身は、救急への配属を希望していなかったため、不安な気持ちで仕事を始めました。
ですが、これまでなんとか頑張り続けています。
そんな私が新人だった頃を振り返ってみたいと思います。

まず今だからわかることは、先輩たちは新人に即戦力であることを期待していないということです。
新人として配属される時には「自分が救急で足手まといにならないだろうか?」という不安がありました。
新人なのだから、出来ないことは当たり前で、学ぶ気持ちさえあれば良かったんですよね。
先輩としても、新人に看護や救急を嫌いにならないでほしいなと思いながら受け入れています。
新人を追い込むのは、「出来る新人じゃなきゃ……」という自身の思い込みだと思います。

また、救急では命がかかっていて一刻を争います。
そのため、現場では張り詰めた緊張感があり、和やかさはありません。
先輩や医師が声を荒げることもあります。
新人だった頃は、それが怖くて、何もできない自分に無力感を感じていました。
でも、先輩も医師も余裕がないだけで、新人に対してどうこう思っているわけではないのです。
それがわかってからは、気持ちを強く持って頑張ることができましたね。

命がかかったの緊迫感の中、無事救命された後にスタッフみんなでホッとできる時間が救急で感じる喜びだと思います。
せめてその瞬間を感じることができるまで、新人の子には頑張ってもらいたいな~と思っています。
確かに、張り詰めて厳しい職場ですが、救急のやりがいを知らずにすぐに辞めてしまうのは勿体ないです。

救急看護師に必要なこと

U.Bさん(女性)

私は救命救急センターで働いて4年目の看護師です。
よく学生時代の同期に、「救命って大変だよね?実際どんな事をしているの?」と聞かれることが多いです。
「救命救急に異動願いを出すのは怖いけど、興味はあるからどんな感じなのか知りたい」ということみたい。
私もたまたま救命救急に配属され、希望して入ったわけではないのでその気持ちがとてもよくわかります。
実はそんな風に思っている看護師は、多いと思います。
なので、実際に救命救急で働いて、私が必要だと感じたことについてお話させていただきます。

救命救急では、看護師は患者さんのバイタルチェックや状態の観察を含む全身管理、異常の早期発見、医師の診療補助、体位変換や清潔ケアなどの日常生活援助を行います。
患者さんは鎮痛剤を投与している方が多く、コミュニケーションをとることができません。
でも患者さんは、常に生命の危機にあります。
看護師はそのような環境で、全身管理や異常の早期発見をしなくてはなりません。
コミュニケーションのとれない患者さんを看護するために、観察能力やアセスメント能力は必須だと感じました。
異常を見つけてすぐに医師に報告をしたことで、患者さんの命を救えたケースも多くあります。

他にも、患者さんのご家族のケアが必要です。
突然倒れた患者さんのご家族は気が動転していることが多いです。
患者さんが処置や検査、治療をしている間、ご家族は待合室で状況もわからず待たされています。
救命救急では、スタッフが声をあらげてバタバタと忙しそうに走り回る環境です。
そのような、ただならぬ雰囲気にご家族の不安も強くなり、そのような状態で医師の説明を聞いても頭に入らず、正しい判断もできません。
看護師として、そのようなご家族に落ち着いていただくための対応をしなくてはなりません。
今後の流れや病状について、医師からの説明の場を設けることも必要になります。

患者さんの命を救いたいという思いだけではなく、そのご家族への心配りも重要な看護師のお仕事だと思います。
救命救急の看護師には、患者さんの気持ちも、ご家族の気持ちもくみ取ることが必要です。

救急を辞めたいと思った時

お給料は良い方だと思うけど

S.Rさん(女性)

私は救急外来で働く6年目の看護師です。
救急外来で働くことが辛いな、と思っています。
3年前から異動願いを出すか、転職をするかということをいつも考えているのですが、今でもまだ救急で働いています。
なぜかというと、お給料が良いからです。

一般的に、看護師の平均年収は450万程度だそうです。
知り合いの看護師数人に聞いても、概ねそのくらいの年収でした。
でも、私の今の年収は560万です。
周りの話を聞く限りでは、異動や転職をしたらこの年収をキープするのは難しいのではないかと思います。
もうすでに、この生活水準に慣れてしまいました。
忙しくて自由に遊びに行くような時間は多くありませんが、その分たまの休みにたくさん買い物ができたり、海外旅行に行くことが楽しみです。
救急勤務ではなくなって、時間が増えて年収が減ったらと思うと怖くて今のところから動くことができません。
時間があっても、今よりお金が使えないなんて考えられません。
仕事は忙しくて辛いですし、残業まみれでずっと辞めたいと思っています。
でも、高収入を維持するためには救急で働き続けるしかないので困っています。

救急は若いうちだけ

O.Eさん(女性)

私は、新卒で救急に配属されました。
その後、希望して異動し、今は内科病棟で働いている10年目の看護師です。

救急は若いうちしか働けないと思いました。
ずっと気が抜けないのが救急の特徴です。
患者さんは重症の方ばかりで、せっかく頑張って処置をしても助からない人も多いです。
患者さんが生きるか死ぬかの環境なので、気を張り詰めたままの状態になり、疲れてしまいます。
人の命を救ってる、役に立ってると実感できる環境ではあります。
でも、ある時ふと「もう限界かな~」と感じてしまいました。

それに、救急だと患者さんの経過がわからないんですよね。
患者さんがどのように回復して、退院していくのかといった流れを全く見ることができませんから。
その点でいくと、知識や経験も偏ってしまいます。
幅広く学べますけど、知識は浅いし、疾患別の看護は身に付きませんでした。

単純な忙しさは病棟の方が忙しい時もあります。
ただ、内科病棟に異動して改めて、気を張り詰めっぱなしじゃなくてもいいということが精神的に楽になれるということに気づけました。
患者さんをしっかり看るといった点でも、異動してみてよかったと思っています。

憧れだけじゃなく、現実も知っておこう

救急でやりがいを感じながら働くためには、憧れだけで入職しない方が良さそうですね。
救急の看護師のイメージ通り「最初からテキパキ動ける!」なんて思いながら働き始めると痛い目をみてしまいそう……。

まずは、現場の状況・スピードに慣れること!
責任が重くても自分の判断で動くことができるという所にやりがいを見いだせれば、
あなたも救急で楽しく働けるはず。

救急は、実践力が高くプレッシャーに強い看護師になりたい方にお勧めですよ。
ぜひ憧れを現実にしてみてくださいね。