私は看護師に向いていない・・。と悲観するナース9人の体験談

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仕事が辛い。 
仕事に向いてない。

人間なら、誰でもそう思う瞬間ってあるものです。

ギスギスした人間関係
多忙すぎる業務
終わりの見えないナースコール
辛い夜勤

私って看護師に向いてない・・? 
こう考えるのも無理ありません。

今回は「看護師辞めたい!」と思った人達の体験談を集めてみました。

看護師を辞めた人達

仕事が辛すぎて辞めました

G.Mさん(25歳女性)
当時の勤務先:県立病院

新卒看護師の頃。
自分は看護師に向いていない・・・。
そう思い、看護師自体を辞めました。
毎日が辛い日々で、看護全般のことが嫌いになったからです。

勤めていた病院は、急性期の混成病棟で、常にせわしなく動き回らなければいけません。
日勤でも夜勤でも。
それでも仕事が終わらず、毎日2時間は残業していました。
さらに勤務が終っても勉強会、看護研修会、委員会・・。
もちろん強制参加です。
そこに出す報告書を作るのも大変。
自身の業務の振り返りも追いつかず、必要な疾患が全く覚えれていない状態です。

でも同じ新卒の同僚の子はテキパキと・・。
どうしても自分と比べてしまいます。
そのたびに「私は看護師に向いていないのではないか?」と思いました。
師長からは「少し休む?」と気分転換を勧められました。
でも勉強しないと不安で仕方がありません。
夜勤明けで家に帰っても、不安で机に向かいたくなり、睡眠時間もろくにとれていません。

看護師の何もかもが辛かった。
自分がこんなにも看護師に向いていないなんて。
ただただ悲しかったです。

それで看護師を辞めました。
辞めたほうが誰にも迷惑をかけないと思って。

今は飲食店勤務です(夜の仕事ですが・・)

勢いで辞めました

U.Tさん(37歳男性)
当時の勤務先:私立病院

こんにちは、元看護師です。
6年目やっていました。
でも看護師の仕事は、自分には向いていなかったと思います。

私は、ルート営業マンから転職して病院に就職しました。
女性社会で厳しい人が多い中、率先して働き、夜勤も人一倍こなし頑張ってきました。

しかし年々体力が落ちてきて、仕事が辛くなっていました。
仕事中、突然気が遠くなることもあり、処置中にそれが起こらないように必死でした。

睡眠はあまり取れていませんでした。
「男性だから、お願いね」と、急な夜勤もありました。
休息がうまく取れず、些細な言葉にカチンと来ることも増えました。
いつ自分の感情が抑えきれなくなるのかわからず怖かったですね。

看護師を辞めたきっかけは、後輩と面談中に営業について聞かれたのが発端です。
「看護師になる前に営業やってたんですよね? 営業って楽しかったんですか?」
と聞かれたので改めて考えて答えました。
「少なくとも、看護師の職場のような閉塞感はなかったかなぁ」
その時、営業の仕事をしていたことが頭をよぎりました。

で、辞めました。
突発的でしたが、看護師を辞めたいと強く思い、次の日に辞意を伝えた感じです。

抑えていた不安がパチンとはじけたと思います。
看護師を辞めたら、色々勉強したいことも増えましたよ。
一般企業に戻る前に、資格もあれこれほしいのが出てきました。
お金はたまっているので、焦らずに勉強しています。

睡眠もしっかり取れて、すっきりとした頭で勉強ができています!

BBAからのいじめ

H.Aさん(25歳女性)
当時の勤務先:総合病院

私は、2年で看護師を辞めました。
理由は、看護師に向いてないと思ったからです。

看護師になった理由は、周囲から「優しくて、思いやりもある」と言われていたからです。
身内にも医療関係者が多かったですしね。
看護師は憧れでもありました。

働き始めて、不満は特にありませんでした。
患者さんと接するのも、業務についても。

でも職場にはお局様(以下BBA)がいたのが最悪でした。
私はいじめの対象として目を着けられたのです。

入所挨拶では「声が小さい!」言われ、全員の前で何回も自分の名前を言わされました。
さらに「ベットメイキングを忘れている。そんな思いやりのない看護師は初めてだ」とも言われました。

新人にそこまで言うとは・・・。
しかも私の担当じゃない患者さんなのに・・・。

それを伝えようとすると「言い訳するな!」と怒鳴られます。

これが病棟です。
これが看護師の仕事です。

先輩のプリセプターに相談しても「こういうのは看護師は当たり前! 耐えて!」と言われます。
当たり前? 耐える? それが看護師なら、自分は向いていません。
その言葉をきっかけに辞めました。

看護師はたぶんもうやらないでしょう。

今は自分のやりたいことが出てきました。
そのために必要な資格の勉強中です。

小まとめ

看護師に向いてないと思ったら、辞めるのも一つの手段です。
辛い体験をバネに、新しい仕事に挑戦するのもいいでしょう。

さて次は、話をガラッと変えて「看護師を続けた人達」の体験談を見ていきます。

看護師を続けてた人達

もう辞めたい……

I.Hさん(29歳女性)
当時の勤務先:大学病院

私は看護師になって3年で、大学病院で働いています。
患者さんが怖くて、自分は看護師に向いてないと思っています。

うちは大学病院なので、さまざまなケースの患者さんが訪れます。
私は重傷患者さんと当たるケースが多く、傷の具合を見るのが恐ろしいです。
夜勤の時も、患者さんの傷が恐ろしくて毎回悲鳴を上げるのをこらえています。
勤務が終わるたび、自分にイライラしています。

一度、異動を師長に相談しましたが、「そんな軟弱な理由では認めない」と却下されました。
また、「気分転換で、プライベートを充実させるといいよ」と気軽に言われます。
大学病院なので休日も研修があり休日はないに等しく、気分転換できるような趣味もありません。
今はなんとか取り繕えていますが、いつ誰に迷惑をかけるかわからずプレッシャーです。

毎日仕事に行くのが辛く、看護師を辞めようと思っています。

看護師に向いてないと思ったときの解決方法

R.Eさん(26歳女性)
当時の勤務先:総合病院

私は看護師2年目です。
看護師に向いておらず、辞めようかと思ったことは何回かあります。
ですが、なんとか看護師の仕事を続けています。

後輩を見ていると、自分が看護師に向いてないと思ったときは周りと自分の比較しがちです。
自分と周りと比較してしまうと、自己嫌悪に陥りやすいのでやめましょう。
比較するなら、過去の自分と今の自分を比較するほうがいいです。

自分の同僚には、すごく仕事のできる子がいました。
採血、点滴、処置とテキパキ業務をこなし、冷静で頼りになる人です。
彼女は評価され、複雑な症状の患者さんや、容体の良くない患者さんを任せてもらえました。
対し、自分はあえて簡単な患者さんに付けられていました。
理由は、いざ患者さんを目の前にすると、硬直したり、オロオロしてしますからです。
できる同僚の子は色々任せてもらえるのに、私はなんて成長が遅いんだろうと悩みました。
彼女と自分を比較し、できない部分がたくさん浮き彫りになって、すごくつらかったです。

色々考え、一度学生時代の先輩に相談したら、振り返りのやり方を変えてみてはどうかと言われました。
達成したい目標を決めて、それに対しての課題達成度を詳しく記録していくというやり方です。
そうすると、過去の自分に比べ自分がどれだけ成長していたのがはっきりとわかり、成長が実感できるようになりました。
成長が実感できてから、自己嫌悪は薄まり、とりあえず頑張ってみようと思いました。
その結果、先輩からも「ゆっくりだけど、頑張ってるね」と言われ、より実感は深まったと思います。

なので、私は看護師の仕事を続けられています。

向いてないのに続けています

D.Iさん(27歳女性)
当時の勤務先:大学病院

看護師2年目の新人です。
先輩のプリセプターに何度も怒られ、看護師に向いてないと思っています。

私は仕事も遅く、周囲にせかされると慌ててしまいミスをします。
処置の前で手順を確認していると、「早く早く!」とせかされます。
慌てて用意して、点滴をしようとすると「間違ってる!」と言われ。
その言葉にパニックになり、「もう手は出さなくていいよ!」と怒られます。

プリセプターからは、毎度のように怒られます。
「あなた、看護師に向いてないよ! そのうちひと殺すよ!」とよく言われます。
教わった通りに、処置の補助をしようとしても「さわらないで!」と怒られます。
うちの病院ではもう自分のいる意味を見出せませんし、看護師であることが辛いです。

とろい自分が看護師に向いているとも思えないですが、お給料の関係で続けています。
最近の日課は転職サイトを眺めることです。
看護師でも一般職でも、じっくりやれる職場に転職したいです。
そのために、看護師で貯金をしているんだと思えば、少しだけ心が軽くなります。

◇小まとめ
看護師に向いてないけど続けている人は、辞めた後の生活を考えて留まっているようです。
もしくは、自分自身の考え方や見方を変えるのもいいみたいですね。

看護師から、転職してみるパターン

一度、他業種を経験してみるのもいい

K.Tさん(32歳女性)
当時の勤務先:クリニック

看護師5年目です。
最初は3年間看護師として急性期病院で働きましたが、看護師に向いてないと思って転職。
多業種で事務や販売を経験するも退職し、看護師に戻ってきました。

私のおすすめは、看護師に向いてないと思ったとき、他の業種を経験することです。

私は、急性期病院で勤務していました。
入れ替わりの多い状況についていけないことが多く、申し送りのミスで迷惑をかけることもありました。
また、人手が足りなかったので、毎日2~4時間の残業があり、身体を壊しかけました。
思う通りにいかなくて、看護師が嫌になり、他業種に思わず逃げ込みました。

他業種への転職はなんとか成功し、事務になりました。
事務は座っているだけで、書類仕事が多くキャパオーバーと思い販売へと転職。
販売は人と関わるのが面白かったのですが、契約のノルマとの戦いで断念。
結局、何が自分に向いていたのかと考えた時、浮かんだのが看護師でした。

今は看護師に戻って他業種の経験が良き、テキパキと仕事ができるようになりました。
事務では、書類のまとめ方を学び、申し送りが楽になりました。
販売では、多数くる業務を整理し、優先順位をつけて処理する方法を教えてもらいました。
そのどちらも、今看護師である自分の役に立っています。

看護師として踏みとどまった話

I.Eさん(28歳女性)
当時の勤務先:民間病院

看護歴3年です。
私は、最初の1年は看護師に向いてないと信じていました。
でも、転職して病院を変えてみたらうまくいくようになりました。

学校を卒業して、私は慢性期病院へと配属されました。
そこでは、いきなり点滴と採血を任されました。

点滴や採血をどうすればいいかわからなくて、聞いても無視されます。
先生からは、「とりあえず、何回かやって間違えながら覚えればいいよ」と言われました。
先輩の見学もできず、処置の時に誰かが付いてくれていることもありません。
患者さんにうまく針をさせなくて、怒らせてしまったことも何度かあります。
そのたびに職場では周囲から嫌な顔をされ、出勤するのが辛くなりました。

自分は看護師に向いてないと考え、親しい友人に相談しました。
そうしたら友人から「もう看護師が嫌になったってこと?」と言われ、違うと思いました。
それを伝えると「病院を変えてみたら? しっかり教育制度が整ったところがあるでしょう?」
と言われ、それもそうかと思い、どこがいいと思うと友人に聞いてみたら。
「職業専門の転職サイトとかないの?」とアドバイスをもらい、その場で調べて登録しました。

結果、急性期の病院に決まり、忙しい職場に変わりました。
研修制度も充実しており、丁寧に教えていただいたので、採血も点滴もできるようになりました。
一回は看護師に向いてないと思い、辞めようと思っていましたが、踏みとどまることができました。
仕事もできるようになってきて、看護師としてようやくスタートを切れた感じです。
看護師を辞めるのではなく、思い切って転職してみてよかったと思います。

転職してうまくいった話

B.Dさん(34歳男性)
当時の勤務先:国立病院

私は、看護師歴8年の男性看護師です。
急性期の病院で勤務していましたが、ついていけずに退職しました。
現在は看護師として復帰し、精神科の病院で勤務しています。

急性期の病院での勤務時は、自分が看護師に向いていないと思っていました。

急性期病棟は、刻一刻と患者さんの容態が変わるので、即断で対応を判断する必要があります。
自分は、疾患の勉強が追い付いてなかったので即断ができず、周囲に迷惑をかけていました。
師長に「足を引っ張っている」と怒られ、看護師は向いてなかったと思い2年で退職しました。
退職後はアルバイトをしながら、将来したいことも無く過ごしていました。

しかし、もう一度看護師をやりたいと考え、今勤めている病院を見学しに行きました。
その中で精神科が自分に合っていると思い、転職しました。
うちの病院はADLが自立している患者さんが多いです。
対応に時間に余裕があるので、勉強の時間も取れました。
その結果、以前のように怒られることも無くなりました。
さらに、患者さんの容態の急変は少なく、じっくり経験が積めています。

急性期の病院にいた時は「仕事のできないダメな新人」でした。
今は「内科に詳しい看護師さん」として見られています。
周囲からの前向きな評価が、自分のやる気に繋がっています。
思い切って転職してよかったと思っています。

◇小まとめ
転職した結果、状況は良くなっているみたいです。
自分の性格に合った職場や、人間関係を変えてみるのもいいですね。
あるいは、他業種で経験を積むのは、その人自身のスキルアップになるかも!

まとめ

私って看護師に向いていない・・・。
たぶんほとんどの看護師が一度はそう思うんじゃないんでしょうか。
中には、看護師を辞めた人もいます。

でも他業種に転職は、せっかくとった資格がもったいないですよね。
看護師そのものを辞めるのではなく、自分の性格に合った科や別の病院に行くのも手です。

もちろん看護師が本当に嫌であれば、看護の道から離れてみるのも一つの手段です。
気持ちが入れ替われば、看護師だった自分を見つめなおす機会もあるでしょう。
その上で看護師に戻るか、辞めるかを決めればいいのです。

道は自分で作るもの。
さあ!いこう!