オペ室に転職を考えているみなさんこんにちは!
オペ室って憧れますが、いざ転職するとなると不安になりますよね?
- オペ室ってどんな仕事をするんだろう?
- どんな人達が働いているんだろう?
- 私でもやっていけるかな?
そんなわけで今回は「オペ室と病棟との違い」に焦点を当て、オペナースを紹介しています!
オペ室にまつわる不安にすべてお答えしますよ!
仕事内容の違い
器械出しがある
器械出し(直接介助)とは?
手術に使用する器械を準備したり、組み立てたり、手渡したりする業務。
あわせて、患者さんの体内に器械やガーゼを残してしまうことがないように、数を数えることもしている。
テレビドラマ等でよくある『メス』『はい(そっ)』ってやつ。
だけどメスの手渡しは危険なので、実際は「置き渡し」(セーフティゾーン)で行う。
- 手術室看護師になったら、まずは器械出しから覚えることになる。
- 器械出しはオペの成否に関わる非常にテクニカルな仕事。
⇨最初は先輩のサポートから入り、徐々に慣れていくため心配は少ない。
外回りがある
外回り(間接介助)とは?
部屋の準備から、手術中の患者さんの容態の把握、出血量の管理など、幅広い仕事を受け持つ。
術前の患者さんやその家族に対してのメンタルケアを行ったり、術後に希望するケア等、患者さんそれそれに合った看護の提案も行う。
- 業務の範囲が広く、手術の進行や全体を把握する力が必要になる。
⇨ある程度経験を積んだ看護師が担当する。
把握しなければならない器具の種類がとにかく多い
- オペの内容により使う器具は様々だから。
- オペ室で使われる器具は、病棟内で使用される器具とは比べ物にならないくらい種類が多い。
- それらの名前と使用目的を正しく理解しておく必要がある。
- 手術開始前と完了後の器具の数の管理を徹底。
⇨患者さんの体内に器械やガーゼを残してしまうことがないようにするため。
一人前になるまでの期間が長い
- オペの内容がとにかく多種多様なため。
- また、手術室業務を詳しく教える看護学校はあまりない。
⇨事前に学べる部分はあるものの、現場で実際に経験して覚えることがほとんど。 - 3年で器械出し一人前、5年で外回りも含めてオペ室看護師一人前と言われる。
- 一通りの器械出しを経験するのにまず1年。
- 一通りの外回りを経験するのにもう1年。
- 3年目になってようやく全体が少し分かってくる。
- 4-5年目で後輩を指導しながらようやく理解が定着。
⇨1-2ヶ月で夜勤を始め、1年もすればリーダーを任せられることもある病棟とは根本的に異なる。
一般の看護技術が身につかない
- 業務の大半が医師の補助だから。
- 採血や静注をする機会がとても少ない。
⇨オペ室一年目は処置自体がまず行えない。 - 手術室配属後に清拭をしたことがない看護師がほとんど。
- 日常生活援助の技術は身につかない。
⇨手術は「日常生活」ではないから。 - 解剖生理はしっかりと身につく。というか勉強が必要。
勤務に関する違い
基本日勤である
- オペが日中に行われるから。
- 一部のオペ室は夜勤もある。手術件数の多いところや、緊急手術を受け入れているところ。
- 早出・遅出などのフレックスを採用しているところもある。
オンコール当番がある
オンコールとは?
急患対応のための待機。
当直は病院内にいなければならないが、オンコールは自宅など病院外にいてよい。
ただし、常に連絡がとれる状態でいる必要があり、要請があればいつでも出勤しなければならない。
- 手術にまつわる突発的な状況に対応するため
- 身体的にも精神的にも制約が多い。
⇨映画に行けない。(携帯電話の電源を切ってしまうので連絡がとれない)
⇨遠方への旅行に行けない。(連絡を受けても出勤することが出来ない) - 身体も心も休まらない。
⇨「呼び出しがあるかもしれない」と思うことがストレスになる。
休日はカレンダー通り
- オペが平日に行われるから。
⇨自分の予定を入れやすい。
⇨一般職の友人と会いやすい。
⇨オンコール当番が多い職場だと、その分制限は多くなる。
職場環境の違い
手術室には窓がない
- もともとは術野に影を作らないために考えられた仕様。
⇨自然光が入ることによって影が出来てしまうことを回避。
⇨「室内をクリーンに保つため」や「高度空調に対応するため」という視点もあり。 - 極度の緊張状態が継続する閉鎖空間。
⇨手術終了までは出られない&立ちっぱなし。
⇨長時間の緊張状態と窓のない閉鎖環境からストレスを感じる人が多い。 - 時間の感覚がない。
⇨陽の傾き具合を感じられる場所ではない。
働くメンバーが特殊
- 交代勤務ではなく、毎日同じメンバーで顔を合わせる。
⇨病棟は基本シフト勤務なので、同じ部署でも、ほとんど顔を合わせないメンバーもたまにいる。 - 「チームで働く」という認識が出来ているから、人間関係にも極力気を遣う人が多い。
⇨意外と体育会系。
⇨閉鎖的な場所なので人間関係が悪くなると大変。
⇨逆に、「人間関係が悪く出来上がってしまっているチーム」に入ってしまうと地獄。 - 常に医師と一緒にいる。
⇨常に判断を仰げる立場の人間と一緒にいられるため、しっかりと指導される。
⇨医師から感謝されることはほぼないが、もしあったら奇跡。 - 男性看護師が多い。
⇨体力仕事が多いことや、器械・機械等の知識等が、男性看護師に好まれる傾向がある。 - ストレート(キツめ)なやりとりが多い。
⇨手術開始までは、スタッフのみの時間が多く、外部の目 (主に患者さんの目 )がないため。
患者さんとの関わりが少ない
- 手術時は、常にベッドで寝ている患者さんのケアが基本。
- 患者さんとのコミュニケーションがほとんどない。
- 患者さんから感謝されることもほとんどない。
⇨手術の間(前後)だけしか関わることがないため、感謝されることはほとんどない。
必要な資質の違い
必要とされる力は「体育会系」
- 長時間のオペを乗り切る体力。
⇨何時間も休憩なしで立ちっぱなし。トイレに行くタイミングも流れを見つつ。
⇨外回りが出来るようになると、足りない器材を取りに院内をダッシュするようにもなる。 - 閉鎖空間でのストレスを乗り切る精神力。
- オペの内容から流れを把握して、医師の求めるものを指示されたタイミングで的確に出せる力。
⇨最初は無理。何事も勉強。
向いている人は「忍耐強い勉強家」
- 人体解剖学に興味があり、勉強を続けられる人。
⇨疾患や術式を把握していないと務まらない。 - 医療機器に興味があり、勉強を続けられる人。またはそれに抵抗がない人。
⇨事前に学校で学べるものが少ないため、勤務しながらの自主学習がとても大切。 - 察したり先読みすることが得意な人。
⇨医師によって使う言葉が違うこともあるため、言葉通りではうまくいかないことも多々。 - 肌トラブルが少ない人。
⇨手洗い・消毒によって肌が荒れてしまう人が多い。
⇨あまりに酷い肌トラブルを抱えている状況であれば、器械出しから外されることもある。
手術室への異動に関する違い
病棟の経験が何年あっても新人扱い
- 病棟看護とはほぼ別の仕事を、一から覚えることになるため。
フォロー体制は充実
- オペ室ではチームで動くという意識が強いため。
- 人材育成に時間がかかることを周りが理解しているため、早急な仕上がりを求めていない。
指導がキツいことが多い
- より間近に患者の生命と向き合う事が多いため。
- ミスや不手際に対して指導が厳しい(キツめ)と感じられるシチュエーションも多い。
逆にオペ室から病棟への異動の場合
病棟看護師は2年程度でベテラン扱いとなる。
そのため、手術室看護の経験年数を病棟看護の年数で測られると非常に困る。
手術室看護師になってから清拭をしてないって人がほとんど=病棟看護師としては新人以下。
そんなわけで、受け入れ体制がきちんとしている病棟でないと期待ばかりされてつらい。
ただ、外科病棟などでは、経験が役に立つシチュエーションも少なくはない。
給与の違い
給料平均 | 常勤(夜勤あり) | 日勤常勤 | 手当 |
---|---|---|---|
病棟 | 4,806,804円(3885件) | 3,974,101円(401件) | 夜勤手当 |
手術室 | 4,850,416円(51件) | 4,479,721円(186件) | 手術手当 危険手当 当直手当 待機手当 |
(参考:看護roo!「ナースなワタシのお給料」)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
手術室看護師は、病棟看護師とはまったく異なる業務を行っています。
同じ「看護師」という仕事なのに、ここまで異なる特徴があるこということに驚かれた方も多いんじゃないでしょうか?
オペ室には以下のメリットがあります。
- 基本日勤で休日はカレンダー通り
- チーム医療に参加することが出来る
- 手当が豊富
逆にこんなデメリットがあります。
- 覚えることが多く一人前になるのに時間がかかる
- 一般の看護技術が身につかない
- オンコールが大変
「覚えることが多く一人前になるのに時間がかかる」というデメリットは、「努力」「忍耐」「根性」といった、体育会系の気質が合っている人にとっては、あまり問題ではないかもしれません。
「一般の看護技術が身につかない」というデメリットについては、手術室のスペシャリストを目指すという目標を持っていたり、一般病棟での経験が何年かあるようでしたら、特に問題ではありません。
手術室看護師を続けていく上で、一番の問題と言われているのが「オンコールが大変」というデメリットです。
ですが、人数がしっかりと確保されている病院や、フレックス勤務を採用している病院では、オンコール当番が少ない傾向があります。こういった病院の内部事情を詳しく知るためには、転職エージェントを利用するのが効果的です。
詳しくは以下の記事で説明していますので、参考にしてみてください。
オペ室には、「体育会系の気質が合う、忍耐強い勉強家の方」が向いています。
一人前になるのに時間がかかると言われていますがが、コツコツと積み上げた努力と経験は、手術室のスペシャリストとしての自分を作り上げるでしょう。
手術室看護に興味がある方は、是非挑戦してみてください!