産婦人科って、新たな命の誕生を手助けする感動的で素敵なところ!
と、思いますよね。
もちろんその通りなのですが、現場では辛いこともたくさんあるみたいです。
とにかく人手が足りないとか。
昼夜関係なく、発生する陣痛とか。
社会の闇に突き当たったりとか。
実際に、産婦人科はどんな感じなのだろうか?
そこで、実際に産婦人科で働いている看護師さんの体験段をまとめてみました。
産婦人科には、他科にはないやりがいがある!
忙しいけど、やりがいがあります。
E.Eさん(女性)
私は、産婦人科で働いいました。
他の科も経験しもっと看護師として成長したいと思い、現在は別の科に転職をしました。
産婦人科の仕事は、すごくやりがいのある仕事でした。
一番大きなやりがいは、生命の誕生に関われることです。
私の勤めていた産婦人科の外来では妊婦検診の他に、AIH(人工授精)やホルモン剤の注射、検査介助を行っています。
病棟では、筋腫や帝王切開のオペ、体外受精、分娩後の授乳指導、赤ちゃんへの処置などがあります。
やることは多いので忙しいですが、命の誕生はとてもうれしいです。
さらに、カレンダーの予定日計算が早くできるようになりましたよ。
しかし、悲しいこともあります。
特に、奇形児ができた時はショックです。
出産が終わって疲れているお母さんに、どう伝えるかを悩むこともありました。
でも、産婦人科で体験した感動を今でも思い出します。
今は勉強のため色々な科を経験しようと思っていますが、将来は産婦人科に戻りたいな、と思っています。
人生を考えられる仕事です。
D.Dさん(女性)
勤務先:産婦人科
私は現在、産婦人科で働いています。
急な異動で不満がありましたが、今では産婦人科に行って良かったと思っています。
なぜなら、女性として学ぶことが多かったからです。
産婦人科の業務の中で、女性のいろんな人生を見ることができています。
不妊に悩む患者さんもいますし、中絶をする患者さんもいます。
新たな命に関わるため、嬉しいことも驚くことも悲しむこともあり、命について考えさせられます。
ほかにも、女性特有の科なのでメンタル的な部分にかなり気を遣う必要があります。
ナーバスになっている患者さんも多く、何気ない言動が患者さんを傷つけてしまうこともあります。
でも、そういったことを患者さんと乗り越えながら看護師としても人としても多くのことを学びました。
この学びを大切にして、これからも産婦人科でやっていきたいと思っています。
やはり、出産という喜びに立ち会えることが大きなやりがいのようですね。
でも、このやりがいさえあれば! という方がいると同時に、
産婦人科が辛くて耐えられないという方もいました。
産婦人科って、実は激務
産婦人科は甘くなかった
R.Dさん(女性)
私は以前、産婦人科クリニックに7年勤めていました。
生命の誕生を間近で見ながら働ける環境が素敵だと思い志望しました。
でも、産婦人科で働くということが思ったほど甘くないということがわかりました。
産婦人科は救急病院のようにとても忙しかったのです。
分娩は助産師の担当ですが、看護師の業務も分娩の準備やバイタルチェック、ルート確保、後片付けなどたくさんあります。
しかも、3・4人いっぺんに産気づくこともあり、分娩室が空いていなくても患者さんはやってくるのでバタバタします。
授乳チェックやお母さん側のメンタルケア、夜間の新生児ケアなど業務が多くて夜勤中に仮眠がとれないこともありました。
夜中でも急変があればすぐに帝王切開をしなくてはなりませんでした。
確かに、新生児は可愛くて新しい命の誕生は感動的でした。
でも感動を感じる余裕がないほどの忙しさに、目が回るような日々でした。
転職は失敗だったかもしれません。
G.Mさん(女性)
勤務先:産婦人科
私は転職をして、産婦人科で働き始めて5年目になります。
転職をした理由は、新卒の頃から出産という大きな幸せに関わることのできる産婦人科で働きたいと思っていたからです。
しかし、産婦人科への転職は失敗だったかもしれない、と思っています。
なぜなら、産婦人科は救急病院のようなところだからです。
陣痛は時間など関係なく始まるので、分娩室が空いていないのに何人も受け入れをしなくてはなりません。
陣痛からあっという間に赤ちゃんの頭が出てきてしまい、ドクターを呼ぶ間もなく出産になってしまうケースもあります。
真夜中に帝王切開になることもあり、母子の命を救うため時間との闘いになることもあります。
確かに、不妊で長く通院していた方がご懐妊された時は涙を流して喜びましたが……
でも、産婦人科では新卒の時に憧れていた幸せなことばかりがあるわけではありませんでした。
次に転職をする時には、また別の科を選びたいと思っています。
産婦人科って、めちゃくちゃ忙しい!
しかも、忙しいだけではなくこんなこともあるみたいです……。
忙しいだけじゃない!まだある産婦人科の辛いこと
助産師と看護師の格差
B.Rさん(女性)
私は産婦人科クリニックで1年勤務をしていました。
出産に関わる仕事がしたいと思っていたからです。
でも、希望の職場だったにも関わらず1年で転職をしてしまいました。
私には、助産師と看護師の格差が辛かったです。
外来で話を聞き、バースプランをたてたり、乳房ケアをするのは助産師の担当で、看護師が妊産褥婦さんに関わる機会が少ない環境でした。
看護師は助産行為ができない上、助産師との周産期に関しての知識量が違いすぎて、看護師の存在価値が見いだせませんでした。
しかも、助産師は看護師を基本とした上位資格であるため、助産師から「所詮看護師でしょ」と上から目線で言われていました。
確かに、助産行為は助産師の仕事です。
でも本当にやりたかった仕事を、ただ見ているだけの環境に耐えられませんでした。
今では助産師を目指して勉強をしています。
アセスメントができない看護師になってしまった
M.Uさん(女性)
勤務先:総合病院(外来)
私は6年間、産婦人科病院に勤務していました。
乳房ケアや授乳介助など他の科では得られない経験をしたかったので産婦人科を選択しました。
せっかく入った産婦人科でしたが、私は働くうちにアセスメントができない看護師になってしまいました。
産婦人科では看護師としての基本スキルが身につきませんでした。
産婦人科では患者さんは若い女性であることが多いため、オペ後のモニターを見てもPVCや頻脈程度で不整脈が出ることがなく、異常のある波形を見る経験ができません。
NSTやエコーなどの決まった検査しか行わないので知識も限定されてしまいます。
しかも、病気の人を看ないので喘息一つとっても、軽症発作なのか重症発作なのかが私には判別できませんでした。
確かに、産婦人科ではほかの科ではできないような経験をすることができました。
でも看護師として基本的なことができないために、転職してしばらくは本当に大変な思いをしました。
産婦人科も感動するばかりではありませんでした。
A.Aさん(女性)
私は、昔バイトで産婦人科で働いていました。
今は別の科で働いています。
なぜなら、産婦人科で辛い現実を知ったからです。
産婦人科では新しい命が誕生する裏で、中絶手術が1日に5件以上は当たり前のようにありました。
毎日、掻き出された胎児の死骸をザルで漉して、バラバラになった胎児を見ていると辛い気持ちになりました。
「赤ちゃんやお母さんのケアがしたい」と思って働き始めたのに、このような状況に大泣きしていました。
もちろん、お産など感動する部分も多かったです。
でも、産婦人科で見た惨い光景を考えると「もう産婦人科では働けないな」と思います。
産婦人科で働くということ
産婦人科では、他の科では得られない出産にまつわる感動を体験することができ、やりがいを強く感じることができます。
でも、反対に中絶などの辛い現場を見たり、せっかくの感動を感じることのできない程に忙しかったり、やりたいことができなかったりと辛いことも多いようですね。
やりがいだけでは続けられない、というところでしょうか。
それでも、やりがいや感動を大切にしたい!と思ったら、産婦人科の門をたたいてみてはいかが?