先輩看護師の7つの体験談に見る眼科クリニックの業務内容

眼科看護師の仕事って、何をするの?

私は看護師4年目、眼科クリニックに勤めています。
眼科の看護師の仕事に関して、上のように聞かれることがあります。

先日も、同僚の看護師さんから同じような質問がありました。
あなたも、そんな風に思ったことはありませんか?

ココでは、実際に眼科医院や眼科クリニックで働いている先輩看護師の体験談をご紹介します。
つたないまとめになりますが、是非見ていってください。

矯正視力検査の攻略法

ニガテだったけど…

R.Tさん(30女性)
勤務先:眼科医院

看護師5年目、元は眼科ではありませんでした。
しかし、看護師2年目の時に転職して、3年が経ちました。
現在の仕事は、受付と検査補助をしています。

受付は他院で経験がありました。
問題なくこなせていると思います。
ですが、検査補助がニガテでした。

うちではレフや眼圧測定、視力検査をします。
この中でも、特に矯正視力検査がニガテでした。
覚えるのにも時間がかかることで、先輩から怒られることが多かったです。

わからないことは先輩や同僚に聞いてメモを取るのですが、書ききれないこともあるんですよね。
その場では理解できても、自宅で復習をしているときに思い出せなくなったり。
だから、同じことを何回も先輩に聞きに行くことがよくありました。
「一回で覚えてよ!」と言われながらも頑張って覚えました。

患者さんには「どんだけ待たせるんだ」としょっちゅう言われていましたし。
忙しい時は、当然先輩にも同僚にも対応をしてもらえないので、結果的に患者さんを待たせてしまって。

それに、目の病気もいろいろあるので、白内障や緑内障など、病気で視力が出にくい人に当たった時には余計焦るんです。
でも、データを出す基本操作は教えてもらっていたので、何人もこなしていくうちにコツをつかめるようになりました。

あと、患者さんにコンタクトの特徴とかつけ方を説明するのに説明書を読んだり、ネットで調べたりしましたね。
先輩のやり方を見せてもらって覚えることもありました。

自分もコンタクトを使うので、使用感を試したり。
メーカーによって合う合わないがありますね。

努力のかいあってか、今では毎月来院する患者さんに頼られるようになりました。
メガネやコンタクトの度が決まった時に「見えるようになった!!本当にありがとう!!」と感謝されることも多いので、この仕事を選んでよかったと思っていますよ。

無資格オペ介助

事務員にオペをさせる?

A.Mさん(36女性)
勤務先:眼科クリニック

眼科クリニックに勤めている看護師です。
引っ越しをがあり前職の眼科での経験を活かしたくて、近くの眼科クリニックに転職しました。

でも、もう辞めようと思っています。

このクリニックでは、本来、看護師がする外回りや術後の洗顔を、院内にいるスタッフの誰でもがやっていたのです。

看護師の仕事内容は検査や診察介助、たまに採血です。

看護師は先輩と私の2人でしたが、先輩は1週間で辞めていきました。
どうやら、先輩が辞めるから看護師を募集していたらしいです。

それからは、私一人で看護師業務をこなしていました。

ルート確保や採血、オペの直接介助は必ず私に回ってきました。
ダブルチェックができないので、それらを一人でこなすだけでも怖かったです。
それなのに、来年から白内障の日帰りオペもすることになり、不安が増しました。
いくら何でも私一人では無理だと思い「看護師をもう一人増やしてください」と院長に進言したら、
「事務にオペの介助経験がある人がいるからその人をつける」という返事でした。

オペ中に患者さんが発作を起こしたら、看護師がいないことで危機的状況になることだってあります。
別の病院でのことですが、過去一度だけ、私が介助したオペ中に患者さんが発作を起こしました。

その患者さんは、降圧剤の自己中止をしていました。
術前の問診票にも定時内服薬の項目を申告ナシで出し、術中に不整脈発作が起こりました。
その方の発作は、オペ室の雰囲気と緊張が重なって起こったようでした。
そういうことが起こった時、看護師じゃないと対応できないことも伝えたのですが、聞く耳をもってもらえませんでした。

無資格の人がオペにまで入るのは、はっきり言って怖いです。

眼科クリニックで働けているのはうれしいです。
でも、看護師がする仕事を誰もがやっているし、これからはオペの介助まで無資格のスタッフにやらせようとしています。
そんな怖いところでは働けないので、もう辞めるつもりでいます。

器械操作を押し付けられて

ORTがいないクリニック

U.Sさん(33女性)
当時の勤務先:眼科クリニック

私は、10年の病棟経験のあと、眼科クリニックへ転職してきました。
数年後には結婚したかったので、それでも働ける職場をと思い、気合を入れていたのですが、入って1週間で辞めました。

検査全般や、器械操作の基本を教えてもらえなかったからです。
それ以外にも、オペの準備や滅菌処理もありましたが、
全ての指導が一日で終了。
信じられませんでした。
一般科でもありえません。

先輩が行う検査には間違いが多かったです。
検査が正確でないと、誤診のもとになります。
特に、ORTがいないクリニックだったので、正確でない検査がまかり通っていました。
私が勤務した1週間の間にも、検査が正しく行われず、先輩が子どもの弱視を見逃していました。
そのため「保健所の健診で弱視だって言われた!!どういう検査をしてるの!?」と患者さんの親に怒鳴りこまれるハメに。

仕事を教えてもらえないなら、自分で勉強をしようと思ったのですが、何からどう勉強をすればいいのかわからず、結局自己学習はできていません。

結婚しても働ける職場はありがたいです。
でも、仕事を教えてもらえないどころか、正しいことが覚えられそうにないので、勤め続けるわけにはいきません。

次勤めるところは、ちゃんとORTがいるところにしようと思いました。

オペスキルを磨けなくて…

看護師イジメ

R.Uさん(32女性)
当時の勤務先:眼科クリニック

私は、専門スキルを磨きたくて、総合病院の病棟から眼科クリニックへ転職してきました。
入職して半年たった今、もうやめるつもりでいます。

転職したその日から、事務員にイジメられたからです。
ていうか、私だけじゃなくて、看護師は全員イジメられていました。

事務員のいうことは絶対なのに、私たちのいうことは聞いてもらえない。
腹立たしかったです。

一番ムカついたのが、オペの介助。
日帰りの白内障のオペが多い眼科クリニックでしたが、オペすら看護師ではなく、事務員に介助させていました。
私は、オペの介助もしたかったので先輩に抗議しましたが「ここでは事務員のいうことがすべてなの。我慢して」と言われました。

看護師の仕事は、検査と採血や点滴、それに機器の除菌でした。

検査を覚えるのには、数をこなす必要がありますが、慣れれば問題なかったです。
処置もあるし、視力検査や眼底検査などに加えて、流行りの感染症の検査もしなくちゃだし。
忙しかったあ。

長く勤めれば、専門スキルは磨けると思います。
でも、ここにいるとイジメられるし、オペスキルを磨けないです。
オペがたくさんあっていじめのない職場へ行きたいので、事務員より看護師の人数が多いところへ転職するつもりでいます。

余談だけど、眼科クリニックだと事務員のほうが人数が多いから、看護師よりチカラが強いところが多々あるって、先輩に聞きました。

ちなみに、同じ区内の眼科だとメーカーの担当者も同じだったりで、話が筒抜けのことが結構あるんだって。
だから結局、違うクリニックをに行ってもまたイジメられる。

それがイヤなら、オペがたくさんあって、看護師が大勢いるところに移らないと難しいみたいです。

検査が多すぎて

忙しいクリニック

S.Sさん(36女性)
勤務先:眼科クリニック

私は、二人の保育園児を抱える看護師です。

家から近かったのと、勤務時間が短そうだったので、今の眼科クリニックに転職をしました。
前の職場は残業がすごくて、私自身の体力が持ちませんでした。

実は、今の職場でもくじけそうになっています。

眼科は検査が多すぎます。10以上の器械の操作や検査手順を覚えなければいけないです。
先輩も眼科経験者が多くて、すごくテキパキ検査をこなしていくんです。

繊細な検査も多く、先輩に聞きながら数をこなして覚えるしかないですが、先輩も忙しそうなのですごく聞きづらいです。

どうやったら先輩みたいに検査を早く的確にこなせるかが謎です。
私もできるようになればいいけど、眼科を転職先に選んだのは間違いだったのかなあ、とさえ思えるんです。

勤務時間もハードです。
診察時間はAM9:00から12:00とPM2:30から5:30なのですが、患者さんが多いため残業は当たり前。
そのうえ、週2回ですが、オペもあります。
通常、休憩時間は昼食の20分ありますが、オペの日は準備のため、15分で昼食を食べないといけません。
そして、オペのない日でも、1時間は残業します。
オペがあると2時間くらいになります…。

家から近いし、勤務時間も前の職場よりは短いので、助かってはいます。
多すぎる検査にはくじけそうですが、ここ以外に働く場所がなく、この職場を辞めるわけにはいきません。
何とか頑張ってみます。

時間はかかるけど…

G.Oさん(36女性)
勤務先:眼科クリニック

経験15年目の看護師です。
子育てがひと段落したので、眼科クリニックで復職しました。

仕事内容は、主に検査をしています。3か月たって機械の種類や検査の仕方など一応慣れましたが、まだモタモタしてしまいます。

検査一つとっても、時間がものすごくかかります。
例えば、矯正視力検査。

裸眼想定→矯正視力検査の順に進めていきます。
がちゃ目のことがあるので、両目、片目の順に測ります。

患者さんにいろいろな丸いメガネをかけてもらって、視力1.0が出るかどうかを見ます。
矯正視力1.0が出れば、眼科では正常な目と見なします。

弱視だと、メガネやコンタクトを使っても視力1.0は出ないです。
気を付けていることは、小さい子の弱視は見逃さないように注意することです。
子どものころの斜視や遠視性弱視を放っておくと、脳の視覚野の発達が途中で止まってしまって視力が出なくなるので。

一番苦労するのは、小さい子の遠視ですね。
レフ取って遠視だと、視力が出る遠視と弱視があるじゃないですか。
レフ上では+3.0でも散瞳して緊張を取ったら+5.0とか出ることがあるし。
+2.0〜3.0だったら+5.0〜6.0の雲霧をかけた後に測定します。
ちなみに、雲霧は近視の子よりも+を多めにかけます。
それでも視力が出ないときは、近見視力も測定していました。

医者の指示があれば、サイプレジン点眼の後に再びレフ。
弱視だとそこでメガネ処方しますね。
初めての場合はレフ値通りまたは少なめです。

医者の指示によりますが、軽い度なら雲霧かけて視力が出れば、メガネはいらないです。
よほど眼精疲労があれば別ですが。

やりがいは、度が決まった時、患者さんに直接感謝されることです。
「うわあ、見えるようになった!!ありがとう」と患者さんに言ってもらえるときは、患者さんの感動がダイレクトに伝わるので、やっぱりうれしいです。
改めて、「見えることって幸せなんだ」と思えます。

眼科は、検査機器や検査の仕方を覚えるのが大変だし、時間もかかります。
でも、ちゃんと検査をして、メガネやコンタクトの度を出せるようになることで、「見える幸せ」を患者さんに提供できるので、やりがいのある仕事だと思っています。

ORTがいないところは気を付けて

I.Gさん(35女性)
勤務先:眼科クリニック

私は、病棟を15年経験した看護師です。
子どもが保育園に入るので、夜勤のない眼科クリニックで復職しました。

入職してから、眼科クリニックの良いところと悪いところが見えてきました。

良いところは、眼科は看護より検査がメインになるので、特殊な機械の操作が覚えられるところです。
そして、眼以外は健康な人が多いので、コミュニケーションに苦労することはないです。
また、自分の判断が患者さんの命に危険を及ぼすケースが稀です。

夜勤が少なくてパートもできるため、ライフスタイルに合わせて働けます。
眼科で復職する方も多いです。

メガネやコンタクトの度を出した時は患者さんに直接感謝されます。
「患者さんの役に立っていること」が実感できますし、それがやりがいにもつながります。

次に、悪いところですが、器械操作メインで通常の看護処置はあまり行わないクリニックもあり、看護スキルが低下する可能性が高いです。
今後、一般病棟へ転職した時に困るかもしれません。

なかでも、検査に係わることですが、ORTがいないところだと先輩も自己流で検査をしていることがあり、教えてもらえるからといってその検査技術が正しいとは限りません。
教えてもらえないことを自己学習しようと思っても、学生時代の教科書に載っていないです。
それに、眼科の検査は学校でも習わないので、実践で覚えていくしかありません。
眼科の検査は繊細なので、わからないことがあればその都度、先輩や同僚に確認しながら進めます。
しかも、そのたびに先輩や同僚からイヤな顔をされます。
もちろんその間、患者さんを待たせることになるので、待ち時間へのクレーム対応も必要です。

ケガや病気だけでなく、免許の更新や流行り目での受診もあるので、患者さんがとても多いです。
検査の時間が長いので、どうしても患者さんの待ち時間が長くなり、患者さんのイライラをフォローしなくてはならない場面も多々あります。
残業もあるので、思った以上に苦しい思いをする看護師もいます。

眼科は、新しい技術を覚えることができるため、復職にもってこいの職場です。
パートで働くことができるので、ライフスタイルに合わせやすいです。
でも、給料は低く看護より検査が多いので、看護スキルが低下することがあります。
また、患者さんの人数が多いため、待ち時間のフォローや残業もあり、苦しい思いをする看護師も多いです。

でも、メガネやコンタクトの度を出せると、患者さんに直接感謝されるので、やりがいのある科だと思っています。

まとめ

眼科クリニックの仕事内容は想像通りでしたか?

限られた人数で仕事を回していくので、器械の操作や勉強が他科より必要になってきます。

眼科クリニックは、未経験でもライフスタイルに合わせて働ける魅力のある場所です。
向いてそうかな、と思った方は、ぜひ眼科クリニックへ転職活動をしてみてくださいね。