クリニックに転職ってどうなの?実際に勤務する看護師3人に聞いてみた

イラスト縦

看護師さんが転職を考えたとき、クリニックも候補の1つですよね。

実は私もクリニックの面接を受けたことがあるんです。
夜勤に疲れてしまって、日勤業務を探していました。
でも・・・落ちちゃいました!
自分の名誉のために言いますが、人気のクリニックで倍率が高くって。
(悲しいイイワケ(ノД`)・゜・。)

このようにクリニック勤務には夜勤がないことが多く、日勤希望の看護婦さんに人気です。

今回は、実際にクリニックで働いたことのある看護師さんにお話を聞きました。
クリニック業務に興味があるみなさん、必見です!

院長次第で雰囲気が変わる

Y.Uさん(女性30代)
総合病院5年、耳鼻科クリニック2年半

総合病院に5年勤務後、結婚・引っ越しに伴い退職。
出産後クリニックにて復職。
現在3年目。
夫と保育園児の子供と3人暮らし。

クリニックについて

耳鼻科クリニックで働いています。
小規模ながらわりと忙しいです。

看護師以外の仕事

案外多いです。
クリニック内の掃除はもちろん、器具の洗浄・消毒、タオル等の洗濯などなど。

大変だったこと

医師(院長)がとても神経質な人で、最初はとても苦労しました。

院長独自ルールがあり、それと少しでも違うことをすると「別の看護師呼んできて」と冷たく言われます。
何がいけなかったのかわからないまま、先輩に替わってもらいました。
あとで先輩に聞くと、私が待機していた位置が気に食わなかったようです・・・

理不尽だなと思うことが多く、精神的にキツくて辞めたいと思ったことが何度もありました。
今はもうすっかり慣れて、何か言われても上手く流しています(笑)

クリニック勤務のメリット

ママ目線で見ると、かなりいい職場だと思います。
夜勤はまったくないですし、残業も少ないです。
昼の休憩が2時間半あるので一旦帰宅し、夕飯の支度や掃除などの家事もできます。

スタッフが少ない分、トラブルも(まったくないわけではありませんが)少ないです。

デメリット

院長の性格や方針で、クリニックの雰囲気がまったく違うと思います。
私の勤めるクリニックでは上記のような性格の院長なので、「新人が入ってもすぐ辞めていった」と先輩が言っていました。

あと総合病院時代に比べると、給料はだいぶ減っています。
夜勤分は大きいですね。
給料を優先するのであれば、夜勤のないクリニックは不向きだと思います。

アドバイス

上記にも書いたように、院長によってクリニックの雰囲気が全く違うと思います。
事前に調べることができるようなら、ぜひそうしてください。

看護師業務以外にやることが多すぎ

N.Aさん(女性40代)
総合病院4年 クリニック6年 介護施設2年

40代既婚です。
子供は小学生が二人。
総合病院内科から内科のクリニックへ転職。
その後結婚、出産。
子育てが落ち着いた現在、介護施設にて勤務中です。

クリニックについて

内科。
主に内分泌代謝科、消化器内科。

看護師の以外の仕事

電話対応、予約の対応、会計、物品の発注、レントゲンの現像液などの補充、
白衣のクリーニング出し、廃液などの医療廃棄物の取り扱いと業者への連絡、患者様用の飲水の補充、
一日の終わりの掃除、一年の終わりの大掃除、月一回休診日のワックスがけの監督、
トイレ掃除、MRとの勉強会の開催、リネンのクリーニングなど。

総合病院では清掃会社なり、医療事務なりがそれぞれ行っていたことを、みんなでやらねばならないのが大変でした。

大変だったこと

クリニックは知っている先生の開業で、オープンスタッフでした。
物品の準備、機器の配置・取り扱い方、受付から会計までの流れの確認など、全て一からやらなければいけませんでした。

開院前にシミュレーションしましたが、なかなかその通りにいかないものです。
実際に勤務しながら色々なことを修正していく感じでした。

クリニック勤務のメリット

病院というものがどういう風に回っているのか、保険点数や病診連携など全体的なことが見える。
物品のコストを把握できる。
看護師の経験年数による知識や技術の差はあるものの、総合病院のような組織だった上下関係はなく仲良く仕事ができる。
夜勤もないので身体的には楽。
夜勤明けの会議や研修などもない。
学会などへは院長が参加費を負担してくれる。

デメリット

本来看護師の仕事ではないこともたくさんやることになる。
昼の休憩が長いが、家に帰ることはできない。
終わりがけに患者が点滴をしたり、混んでいるときは定時では帰れない。
急なお休みを貰うことが難しい。
看護の技術を新しく得ることは、あまりない。

アドバイス

病棟勤務とクリニック勤務では、はっきり言って全然やることが違います。
そういうものだ、この仕事も看護だと思っていると、得る物は大きくいろんな面でスキルアップができます。

クリニック独自のやり方がある

I.Nさん(女性30代)
病棟3年、クリニック5年

21歳のときに看護師免許を取得し、最初に就職した総合病院では回復期病棟配属になりました。
そこで3年勤務した後退職し、整形外科の有床診療所に5年勤務しました。

結婚の際県外に引っ越すため退職。
次の就職先を見つける前にすぐに妊娠・出産となり、現在は一児の母の専業主婦です。

クリニックについて

整形外科の有床診療所です。
病棟、手術室、リハビリ室があります。

看護師の以外の仕事

患者さんが多く受付が忙しいときなどは、カルテを出してきたり、清算の手伝いなどをすることもありました。
クリニックの待合室や病棟内などには、掃除の業者が入っていました。
しかし診察室や処置室、手術室などは薬品などが置いてあるので、看護師が掃除を担当していました。
待合室のウォーターサーバーの取替えや、トイレットペーパーやハンドソープの補充、入院患者さんが利用した食器の予洗い。
手術後の器械類を洗うのはもちろん、ガウンやシーツの洗濯など、こまごました雑用的な業務も多かったです。

大変だったこと

大変だったのは、最初にクリニック独自のやり方を覚えることでした。
清潔・不潔の基準や器具の消毒のやり方、滅菌のやり方、医師の診察のやり方、診察介助で看護師はどこまでやるのか。
手術の進め方、入院受けの方法、書類など、だいたいどこの病院に行っても異なるだろうとは思います。
しかし総合病院からクリニックに移ると、ほとんどすべてが知らないことや違うことばかりで、はじめは戸惑うことが多かったです。

上記の看護師業務以外の雑務も多いため、最初に覚えることは本当にたくさんあります。

クリニック勤務のメリット

私が働いていたクリニックでは、きのうは外来、今日は病棟、明日は手術室というように、順番にシフトが組まれていました。
そのためたくさんのことを経験するチャンスがありました。
クリニックのみではなく、リハビリ室やデイケアなどの施設も併設だったため、他職種のスタッフとの交流の機会も多かったです。

デメリット

クリニックは看護師業務にしても雑務にしてもやり方が独特なことが多いです。
そのためここで学んだ知識や経験が、次の職場で生かせるかというと必ずしもそうではありません。

治療の方法が古く、他の病院ではもう一般的ではないこともあったりします。
最新の医療を学ぶには、あまり適していない環境だと思います。

アドバイス

クリニックで働き続けるコツは、「周りに合わせること」だと思います。

自分の知っているやり方とは違っても、クリニックにはそのクリニック独自のやり方があります。
先輩方からそれを習って、その通りにやっていきます。

それでもどうしても腑に落ちない、納得できない、というようなことがあれば、会議などの機会に発言してみましょう。
クリニック内に新しいシステムを作っていくということも、自分にとって良い経験になるのではないかと思います。

まとめ

いかがでしたか?

クリニックには入院施設がないところが多いので、夜勤がないことが1番のメリットではないでしょうか。
なので、子供がいる看護師さんに特にオススメです!

看護師業務以外の仕事が多いという意見は、みなさん共通のようです。
看護技術のスキルアップは、なかなか難しいみたいですね。

クリニック勤務にもメリット・デメリットがあります。
良く見極めて、自分に合った職場を見つけましょう!