透析看護師さんによる懺悔 穿刺失敗告白5選

透析の仕事には、穿刺という業務があります。
穿刺では、普通の採血や点滴では使わないような太い針を、患者さんの血管へ正確に刺さなければなりません。

しかも、動脈に針を刺すため、失敗が許されません。
透析看護師にとっては怖い業務です。

穿刺ができず、透析看護師をあきらめた先輩も多いです。
そんな先輩たちの体験談を集めました。

では、穿刺に失敗すると具体的にはどうなってしまうのでしょうか?

穿刺を拒否された看護師

3か月で退職

O.Bさん(37女性)
当時の勤務先:透析クリニック

私は、総合病院を結婚退職しました。
出産と育児に区切りがつき、復職して透析クリニックで働いていました。

でも、3か月で退職しました。

いつまでも穿刺に慣れることができずにプレッシャーだったからです。

しっかり先輩に指導をしてもらって、穿刺以外は完璧にできるようになりました。

穿刺針の太さは15G~17Gで、病棟で使っている針とは比べ物にならないくらい太いです。

穿刺に失敗すると患者さんに嫌な顔をされました。
あからさまなイヤミも言われます。
「次は別の人にしてもらいたい」とはっきり私の穿刺を拒否されたこともありました。

穿刺に失敗したときは、先輩に指導してもらったのに実践できていないことがものすごくショックで、翌日は病院を休んでしまいました。

先輩には、「透析は特に患者さんの対応が大変だけど、慣れればなかなか楽しいよ」と励まされました。

穿刺は、手わざを覚えれば一生どこへ行っても使える技術です。
でも、穿刺に慣れるまでのプレッシャーに耐えきれないとキビシイです。

私はプレッシャーに耐えきれませんでした。
先輩への申し訳なさもあって、結局、3か月で退職しました。

今は専業主婦をしています。

人工血管ショックの看護師

人工血管のシャント

O.Dさん(29女性)
当時の勤務先:総合病院の透析室

私は、総合病院の透析室で働いていました。
うちの病院では、各部署を3年で異動していきます。
そのため、流れで配属されました。

でも、1か月で透析室に耐えきれなくなり、異動させてもらいました。

穿刺ができなかったからです。

穿刺はカンタンな患者さんからする予定だったのですが、たまたま人工血管の患者さん担当の看護師が休みで、私が穿刺することに。
私は人工血管が苦手でしたが、チャレンジせざるをえなかったです。

やはり穿刺は失敗。
私はそのショックで、穿刺ができなくなりました。

それ以来、人工血管以外の人の穿刺も、ほかの看護師に変わってもらいました。

結局、病棟の針と違う太い針での穿刺に、どうしても慣れることができませんでした。

透析室で経験を積めば、スキルアップができます。
でも、私は穿刺に慣れることができず、1か月で音をあげました。

透析とは相性が悪かったんだろうなと思っています。

失敗をバラされた看護師

穿刺が怖い

G.Nさん(25女性)
当時の勤務先:透析室

私は病棟を3年経験し、興味があった透析室へ異動しました。
というのも、穿刺を上手にできるようになりたかったからです。

でも、穿刺をするのが怖くなりました。

穿刺が下手だと患者さんに嫌われるからです。

穿刺に使う枕を忘れた時は、「新しいやり方かと思った」とイヤミを言われました。
穿刺の場所を間違えてしまい、「次からあなた以外の人に穿刺してもらいたい」と言われてしまいました。
私の穿刺の失敗談を患者さん同士で大声で話され、泣きそうになりました。

確かに、経験を積めば穿刺が上手になるとは思います。
でも、私はまだ穿刺が下手なため、患者さんに嫌われそうで、穿刺をするのが怖いです。
せっかく異動させてもらったのでもう少し頑張るつもりではいますが、時期をみて病棟に戻してもらうかもしれないです。

シャントをつぶした看護師

定時で上がれるけど…

Y.Mさん(34女性)
当時の勤務先:透析室

私は、病棟から透析室へ異動しました。
夜勤や残業が嫌で、定時で上がれる部署で働きたかったからです。

でも、半年で病棟へ戻ってきました。

自分の技術不足のせいで、周りに迷惑をかけまくっていることに耐えられなかったからです。

穿刺の針は一般病棟で使うものより大きいので、とても刺しづらくて失敗ばかりでした。

ある時には穿刺に失敗した挙句、シャントをつぶしてしまったこともありました。
そのときは何もできない自分が悔しくて、迷惑をかけたことも申し訳なくて、大泣きしてしまいました。
幸い、医師や先輩の手を借りることができて、患者さんの大事には至りませんでした。

確かに、定時で上がれることはうれしかったです。
でも、専門性が高い職場だったので、自分の技術ではついていけませんでした。

結局、半年で病棟へ戻してもらいました。
夜勤や残業はつらいですが、透析室のときのように周りへ迷惑をかけまくることはないので、平和に勤務しています。

患者さんと先輩に激怒された看護師

専門性が高くて…

R.Tさん(29女性)
当時の勤務先:透析室

私は、内科病棟と外科病棟を3年ずつ経験し、透析室へ異動してもらいました。
専門的な知識と技術をつけたかったからです。

でも、看護師としてやる気がなくなりました。

私は復習を怠り、穿刺を失敗したからです。

1度穿刺を失敗した患者さんを再度担当しました。
その患者さんの血管は、細くてニガテな血管でした。
ですが、私は何の対策も取らず穿刺をして、また失敗してしまいました。当然、患者さんにも先輩にも激怒されました。

そして、私が穿刺させてもらえる人は、真っすぐで刺しやすい患者さん数人に限定されてしまいました。
その後はニガテ意識も積み重なっていき、透析室で委縮するようになってしまいました。

透析室は、頑張って予習や復習をして仕事を覚えていけば、専門的な知識や技術が身につくところです。
でも復習を怠って、失敗の対策もできないと先輩にも白い目で見られます。
そうなると、看護師としてやる気がなくなります。

どこの科でも予習復習は大切ですが、透析室は一般科とは違い専門性が高いので、特に気を付けて学習に力を入れるべきです。
他の科より頑張って仕事を覚えていかないと、ついていけなくなる科だと思いました。

まとめ

穿刺の失敗が重なると、ニガテ意識も強くなります。
そして、次第に穿刺ができなくなってしまいます。

しかし、穿刺は先輩にコツをおしえてもらい、積極的に勉強していくことで上達が期待できる技術です。

穿刺が上手にできるようになれば、透析看護師としては怖いものなしです。
透析看護師は全国で必要とされているので、どこへ引っ越しても仕事に困ることはありません。
夜勤がなくて給料もそこそこもらえるので、結婚しても無理なく働ける魅力的な職場です。

是非、透析看護師にトライしてみてください。