あなたには「理想の看護師像」はありますか?
私の場合、転職先で出会った先輩看護師さんです。
とにかくすごい人だったんですよ!
仕事ができるのはもちろん、患者さんや同僚の信頼も厚く、誰に対しても優しくて・・・
スーパーナースのような人でした。
先輩が退職するときは、恥ずかしながらマジ泣きしちゃいましたよ。
ということで、私のように実在の看護師さんが理想だという人。
また実在はしないけれど、心の中に自分の理想像があるという人。
はたまた、理想像などないという人。
今回は理想の看護師像を持っている4人の看護師さんに、お話を聞きました。
今の自分との比較もしているので、ぜひ読んでくださいね。
常に患者さんを第一に考えられるのが理想
U.Uさん(女性40代)
老人ホーム3年 総合病院3年
老人ホーム3年・総合病院3年の勤務経験がある40代の看護師です。
勤務している病院
中規模の総合病院。
地域の救急患者さんの受け入れをしています。
理想の看護師像
仕事に誇りを持ち、常に患者さんの立場になって物事を考えられる人。
知識と技術の優れた人。
感情的にならない人。
実際の自分との比較
何年この仕事をやっていても、まだまだだなと感じます。
自分より年下なのに素晴らしい看護師さんをみたときには、すごいなと思うと同時に自分のことを振り返ってちょっと落ち込んでしまう事もあります。
普段心掛けていること
不器用なので技術的にもあまり向上は望めないのですが、とにかく誠実に丁寧に仕事をしようと心がけています。
知識が技術不足をカバーしてくれると思うので、日々の勉強を怠らない様に努力しています。
仕事が忙しい時にはついつい「まあ、いいや」と思って手を抜いてしまいがちですが、現場にいる「理想の看護師さん」をみていると一切の妥協がなく、改めて自分の未熟さを思い知らされます。
「常に患者さんを第一に考えられる看護師」になりたいと思いますが、私にはまだまだ遠い道のりです。
理想と現実の違いに一番驚いたこと
まずは、仕事に対する熱意に温度差があること。
みんなはじめは大きな理想を抱えてこの仕事を選んだと思いますが、日々の過酷な勤務やたまっていく疲労感の中で、徐々に仕事が事務的になっていくのだと思います。
そしてもう一つ感じるのは熱心な看護師ほど、仕事を続けるのが困難なこと。
私が出会った「理想の看護師さん」は仕事に完璧を求めるあまり、仕事の終了後に生まれたばかりのわが子を病院に連れてきて、傍らであやしながら残った仕事を片づけるような人でした。
看護師さんとしては素晴らしかったですが、母親としてはどうなのだろうかと言われると疑問が残ります。
結局、家族から苦情が出て退職することになりましたが、他に解決策はなかったのかと、優秀な看護師だっただけに悔やまれてなりません。
丁寧な仕事、誰に対しても態度を変えないのが理想
A.Tさん(女性30代)
内科3年 整形外科1年 手術室2年
子供を出産後に看護学校を受験。
学校に4年間通い、資格を取得しました。
資格を取得してから12年となります。
既婚、子供は2人です。
勤務している病院
大きな総合病院の整形外科です。
理想の看護師像
優しいのは当たり前ですが、そのなかにも芯が強くきちんと丁寧に仕事をする人。
またまわりのスタッフや患者様に対して、態度を変えずに接することのできる看護師が理想です。
実際の自分との比較
そうなりたいと努力していますが、なかなか近づけないです。
そのようになるには仕事も完璧に出来て、余裕もなくてはいけないと思います。
今現在、突然の入院で慌てており、申し送りでも抜けている部分と、やっていないことがちょこちょこあるのでまだまだだなと思います。
普段心掛けていること
朝、職場に行く前に深呼吸と、今日は丁寧にしっかり仕事をしようと心がけて行くこと。
それから、自分で作ったメモ帳を見て振り返り、落ち着いてするようにしています。
中でも採血や点滴などの確認、針刺しは充分に気を付けています。インシデント、アクシデントで一番多いのが薬品などの点滴です。
まず、患者様の名前確認をし、薬剤が合っているのか何度も見るようにしています。このような事が一番大事なので気を付けています。
理想と現実の違いに一番驚いたこと
どこの職場も同じだと思いますが、尊敬できる看護師はほとんどいません。
ほとんどの方が自分を守るので精一杯です。
一番は仕事を失敗したときです。何かと言い訳をし、謝る事を先にしません。最悪なパターンだと、他の人のせいにまでします。
自分でやったことを人のせいにまでして逃げます
もっとベテランになると、自分の失敗は黙っています。
人は責めるけど、自分は責めないというのがどこの職場に行っても同じような事がありました。
このような状況なので、自分を守るためにも仕事以外でも気を使っています。
お互いに成長し合えるのが理想
D.Nさん(女性40代)
整形1年 訪問看護4年
臨床経験が少ない元看護師です。
勤務していた病院
急性期の整形を1年。
訪問看護を4年勤務しました。
理想の看護師像
次の世代の若い看護師を成長させることが出来て、また自分も一緒に成長が出来る人でありたい。
私が行った職場でも良い先輩は、必ず声をかけてくれて、技術の指導を丁寧に教えて下さいました。
必ず励ましてもくれました。
実際の自分との比較
私は若い人との会話に対して苦手意識があり、また経験が少ないです。
なので成長させてあげられるような看護師とは言えず、大分理想とは離れています。
ただ私は人から話しかけられることが多く、気軽に質問が出来る相手であると思っています。
その点では微力ながら次の世代の若者にとっては、良い存在だと思います。
普段心掛けていること
若い人と話すのは苦手ですが、意識して自分から話しかけていました。
もっとこうすれば良いとか、そこはよく出来ていますよなどと声をかけていました。
チームがお互いを認める事や助け合っていくことは、結果として患者さんに対して良い看護ができるはずです。
だからチーム内で誰かを罵ったりはしません。
理想と現実の違いに一番驚いたこと
看護婦さんは白衣の天使だと言われていますが、中には天使とはほど遠い嫌な人もいます。
もっと人を大切にする考えの方ばかりだと思ってたので、それが1番の驚きでした。
どんなに仕事が出来ても、人としてチームを大切にしているとは思えずがっかりしました。
「看護師は私の転職」そう言っていた先輩
E.Bさん(女性20代)
外科病棟1年
年齢・性別:20代後半女性
職歴:事務職3年経験。
看護師に転職し、外科病棟1年経験。
夫の転勤に伴い退職。
ライフスタイル:夫と二人暮らし主婦、妊娠中
勤務していた病院
300床弱の急性期総合病院、外科病棟で働いていました。
5年ほど前に改装したばかりで、建物の設備も整っており、明るく清潔な環境でした。
理想の看護師像
一緒に働いていた先輩看護師が私の理想とする看護師でした。
心から看護の仕事が好きで「看護が大好き、看護師は私の天職!」と、笑顔で堂々と周りのスタッフに言ってのけるような、明るく爽やかな方でした。
看護師としての経験は10年以上のベテランですが、知識を過信したり驕ることはなく、積極的に医師に質問して常に新しい知識と技術の探求をされていました。
患者さんに対する接し方も素晴らしく、患者さんから「看護師の○○さんは頼りになるし優しいね。」とお褒めの言葉を聞くことも多くありました。
後輩指導、育成にも積極的で、私たち後輩に常に目を配って気にかけてくださるだけでなく、自主的に指導者研修に参加されたりもしていました。
新人看護師で様々なことに悩んだり、躓いたりしてばかりだった私にとって、知識も技術も持っており、看護の仕事が大好きで、患者さんにも慕われる先輩はまさに理想の看護師でした。
実際の自分との比較
知識と技術が豊富で、患者さんにも慕われ、看護が好き!と自信をもって言えるような看護師が理想でした。
しかし新人の私は、日々業務についていくのが精一杯で、まだまだ理想には遠かったです。
普段心掛けていたこと
看護師としての経験が浅くても、自分がどんな看護を行い、どんな看護師になりたいかを常に考えていました。
少しでもそれに近づけるよう日々努力することが、今の自分にできることだと考え、仕事をしていました。
理想と現実の違いに一番驚いたこと
患者さんにご自身の病状について、聞かれたことがありました。
曖昧な答えは患者さんの医療者への不信感にもつながると考え、「後ほど医師から説明しますね。」と答えたことがありました。
私は信頼される理想の看護師であったつもりでしたが、患者さんは「自分の病気はそんなに重いのかと怖くなった。」と話され、不信感を訴えられました。
自分にとっての理想が必ずしも人にとっての理想ではないのだという現実を知り、驚きとともに勉強になりました。
まとめ
いかかでしたか?
理想はあるけれど、なかなかその理想に近づけない看護師さんが多いようですね。
現実は厳しいということでしょうか・・・
(私もまだまだです。)
とはいえ、いくら理想と遠くても、患者さんは待ってはくれません。
理想に近づく努力をしつつ、毎日の看護もお互いに頑張りましょう!