ICUに転職する看護師が押さえておくべきポイント

項目 評価 コメント
臨床経験 3年以上 素早い判断力・知識が必要とされるため。また知識の土台が固まっていないと瞬時な判断ができない。
平均給料 25万~35万
福利厚生  託児所など完備している病院が多い。
夜勤 あり 24時間体制で2交代または3交代で働くので夜勤は多くなる。
残業 少ない ICUにいる患者さんは重篤状態にあり、処置は日勤帯に行うため、突発な事がなければ残業は少ない。
土日出勤 あり
子育てママ ICUは規模の大きい病院に多いため24時間体制で託児所が完備されているため子供を預けて働くことが可能。
新卒 × 稀に採用する病院もあるが研修や病棟内の勉強会等しっかりサポート体制が整っている病院。

ICUではどんな仕事をする?

ICUの仕事は、24時間監視体制で重篤な患者さんたちを看護する事です。
ICUには内科でも外科でも呼吸や循環代謝他、深刻な急性機能不全の患者さんたちを集中的に治療・看護を行ないます。
患者さんが急変することは、日常茶飯事であるため、病状変化による予定外の処置にも頭に入れて看護しなければなりません。

特に、大手術後は病状がいつ急変するかわかりません。
一般病棟での急変より命を落とす危険が高い患者さんが多いので、患者さんの体内の変化を予測する役割を果たすことがICU看護師の重要な仕事です。

一般病棟では夜間患者さんは寝ているので、業務量が減りますが、それに比べるとICUは夜間も忙しいです。

救急レベルランク分け

CCU 冠動脈疾患集中治療室 (急性心筋梗塞、不安定狭心症を専門に治療)ICUよりも専門な治療室
HCU  準集中治療室 ICUより軽症な患者の集中ケア

ICUで働く看護師はどんな人?

ICUでは、急変リスクが高い患者さんが多いので何が起こるかわかりません。
ICU看護師は自分の持っている知識に基づいて考察できる人、予測しようとできる人が多く活躍しています。
また、コミュニケーションがしっかりとれる人が、ICUで多く働いています。重症な方や、その家族に対して、担当看護師1人で行うのでコミュニケーション能力が高い人が活躍しています。

ICUで働くメリットはどんなこと?

ICUの患者さんは重症者が多く、常に緊張感の中で働きます。最新の医療機器を扱って、医師と話し合いながら進めるので自分次第でスキルアップすることができます。
そしてキャリアを重ねることで、認定看護師や専門看護師の資格を目指せます。
様々な資格がある看護師が在籍していると、病院側のアピールになりますので、病院側は全力でサポートしたいというのが内情です。資格手当によって給料アップも可能です。

ICUで働くデメリットはある?

小さなミスが命に関わるので、毎日働いているだけでプレッシャーが大きいです。ICUはやりがいが大きい分、大きなストレスと闘わなければなりません。

その他、ICUで働くデメリットとして夜勤が多くなります。見回りを中心に行っている一般病棟とは違い、夜勤中でも、緊急事態であわただしく働くことが多く体力的にも精神的にもハードな夜勤です。

まとめ

ICU看護師は、集中治療を行っている患者さんの全身管理をすることが一番の業務ですが、それと同時に家族への対応も大切な仕事の一つです。
ICUの面会は一般病棟より限られています。意識がない患者さんもいますし、様々な医療器具が装着されていれば家族は非常に不安になります。
その不安を少しでも緩和させるのも、ICU看護師の役割の一つです。

お役立ちコラム

コラム1「医療事故を防ぐには!!」

ICUは一般病棟に比べて医療事故が高い部署です。なぜなら、重症患者さんを看護しているので、ヒヤリハット事例や医療事故が多くなります。
医療ミスで一番多いのは「投薬・与薬ミス」です。分量の間違い・薬品名の間違い・医師の処方自体間違い等です。

ミスを未然に防ぐためには口に出して「○○薬○㎎ですね?」とか「○○注射ですね?」と復唱しましょう。
口に出して確認することによって、医師や同僚が間違いに気づいてくれる 可能性があります。

その他疲労を感じたら休息をとることです。ICU看護師は夜勤などで身体がヘトヘトになることも少なくありません。
そうなると集中力も低下しますし、ミスが起こりやすくなります。看護師は常に人手不足ですが、疲れを感じたら無理をせずに休息を取り、万全な態勢で看護業務に取り組めば医療ミスは未然に防げます。

コラム2「ICU看護師の配置基準って?」

ICU看護師の配置基準は重症度によって異なりますが、通常患者さん2人に対して看護師1人の配置が基準です。

なぜなら、厚生労働省が認める「ICU加算」取得のためです。国が認めた配置基準を満たさないと高い診療報酬(1泊約10万円)が得られなくなるので病院側はこの基準を守りたいわけです。

例えば、ICU病床が10床であれば最低でも5人看護師が必要になるわけです。ICU加算のために看護師の数を減らせないという病院の本音があります。
ICU の患者さんは重篤であり様々な医療機器を使用しているのでプレッシャーや精神的負担は大きいですが、看護師の数が常に安定しているのは魅力の1つです。