手術室に転職する看護師が押さえておくべきポイント

項目 評価 一言コメント
臨床経験 1年以上あった方が良い。しかし臨床経験がなくてもオペ室に配属される場合もある。
平均給料 22万~40万 オンコールの回数・日直回数で給料が大きく変わる。
福利厚生
夜勤 一部の病院は夜勤があるが、多くの病院は当直やオンコール体制。
残業 予約オペが多い病院はほぼ残業なし。急性期病院など緊急オペが多いと残業に繋がる。
土日出勤 多くの場合、オンコール体制が多く、基本土日は休み。
子育てママ 専門病院であれば予約オペ中心で残業も夜勤も少ないためママさんナースが多数活躍している。
新卒 新卒採用は少ない。ただ、オペ室は病棟や外来とは全く仕事内容が違うので教育制度が整っている病院は採用している。

オペ室ではどんな仕事をする?

オペ室で働く看護師の仕事内容は手術における医師、患者双方のサポートを行うことです。

主な仕事は「器械出し」と「外回り」2通りあります。
それぞれの役割を担う看護師がいて、初めて手術を行うことができます。

・器械出し
オペ中に医師が使う器械を出す仕事です。手術の進行を理解しながら、次に何が必要か判断する知識と理解力が必要です。
オペ室の看護師は、ほぼ全診療科目の手術を担当します。各診療科目によって、使用する器械は違いますので、状況に合わせて手術器具と手順を覚えなければなりません。
また、医師は患者から目が離せないので、最適な器械を素早く手渡すという判断力も必要です。

・外回り
オペ中における患者のケアと、オペ室全体の流れを順調に進行するように働きます。
外回りの看護師は、患者の家族に説明をします、術前、術後の患者の看護も大切な仕事の一つです。

その他、看護記録の作成、バイタルチェック、出血量、止血によるガーゼの枚数カウント、体温観察、体位変換、また手術中の明かりの調整も行います。

外回りの看護師は、手術が円滑に進行するように、縁の下の力持ちとなってサポートができれば医師や器械出しの看護師が集中することができます。

オペ室で働く看護師はどんな人?

オペ室では、失敗できない緊迫した中、自分から予測して動かなければなりません。注意力、集中力、さらにコミュニケーション能力とたくさんの力が必要になります。

最近では男性看護師の活躍が目立っています。理由は以下の通りです。

1.手術によって使う器械、器具が違うため、器械を覚えることが男性の方が強い。

2.手術は長時間にわたることもあるため、体力が必要なため。

オペ室で働くメリットはどんなこと?

オペは緊急オペがない限り平日の日勤帯に行われることが多いので、残業、夜勤が少なくプライベートを充実させることができます。

オペ室には「日勤のみ」「オンコール体制」「夜勤あり」「当直体制」があり、ママさんナースは日勤のみ、がっちり働きたい看護師は夜勤のある病院で働くといったライフスタイルに合わせて働くことができるのも、オペ室のメリットです。

平日の日勤のみで働ける職場は少ないので、専門性の高い仕事をしたい、スキルアップしたい、でも夜勤はできないといった看護師にとってオペ室は最適な職場です。

オペ室で働くデメリットはある?

オンコール体制を取っている手術室は多いですが、オンコール体制は看護師にとって負担がかかる体制です。

オンコール当番の日は、自宅待機になるので、呼び出しがあればすぐに出勤できるように、準備する必要があります。お酒を飲んだり、遠出したりできません。

忙しいオペ室の場合はオンコール当番のたび呼び出されます。いつも疲れが取れません。
しかもオンコール手当は、平均5000円以下がほとんどで、安い病院は1000円以下のところもあります。

まとめ

オペ室看護師の一番大きな役目は、医師のサポートを円滑に行い、かつ的確に手術の進行を進めることです。
長時間に及ぶ手術も珍しくないので体力勝負になります。

お役立ちコラム

オペ室のキャリアアップ

<手術看護認定看護師>
オペ看護師の中で、一番キャリアアップのレベルが高い資格です。

手術認定看護師になるために必要なこと
・看護経験が5年以上(そのうち3年がオペ室勤務)
・オペ室看護において器械出し、外回りの実績があること
・現在の部署がオペ室に所属が望ましい
という条件をクリアしている看護師に取得する権限があります。

研修期間は、6ヶ月以上 615時間です。昼間の研修になるので日勤の勤務をしながら認定看護師の研修を受けることは不可能になります。
認定看護師の資格は5年ごとの更新が必要です。

<手術看護実践指導看護師>
手術看護の質と保証の向上を現場看護師に伝えていく資格です。
しかも、勤務しながら資格取得できるので、手術看護認定看護師より取得しやすい資格です。

看護師看護実践指導看護師になるために必要なこと
・看護免許がある
・日本看学会正会員が3年以上ある
・手術経験が5年ある
・受験資格ポイントを50点以上ある(学会や研修の参加でポイント加算)
・手術看護実践事例を2例提出
・クリニカルラダーレベルⅢ認定証明書を提出
上記、条件をクリアし、申請料30000円納付し、審査で合格すれば資格取得できます。
手術看護実践指導看護師も5年ごとに更新が必要です。

<周術期管理チーム看護師>
日本麻酔科学会が認定するもので、麻酔科医の業務に関する基礎的な知識を持ち手術前、手術後、手術中の麻酔科診療の補助と医療器具や薬剤の準備など、麻酔科に関わる業務を麻酔科医と共に仕事する看護師のことです。

周術期管理チーム看護師になるために必要なこと
・オペ室勤務が2年以上あること
・3年内に日本麻酔科学会のセミナーに1回以上参加していること
・3年以内に日本麻酔科学会も年次大会か麻酔看護研修に1回以上参加していること
上記、条件をクリアし、筆記試験に合格できれば資格取得できます。
周術期管理チーム看護師は3年ごとに更新が必要です。

<滅菌技師>
滅菌技師とは医療施設など手術の器械など遺著器具の正しい知識と技術をもって滅菌することができる日本医療機器学会に定められた者のことです。

中央材料室で手術に使う器械を専門スタッフが滅菌する場合もありますが、病院によってはオペ室が滅菌を行うところもあります。

滅菌技師の資格を持っていれば、病院で滅菌するとき正確安全に滅菌でき安心して患者さんにオペすることができます。

滅菌技師になるために必要なこと
・日本医療機器学会の会員であること
・滅菌供給業務の実践に3年以上携わっていること
・日本医療機器学会が作成した「医療現場における滅菌保障」のガイドラインの内容が理解実行できること
この条件をクリアし、必要書類を準備し申請すれば、第2種滅菌技師の資格取得できます。
第2種滅菌技師は4年ごとに更新する必要があります。

<他の部署で活かす>
手術室の経験を他の部署で活かすのもキャリアアップの一つです。手術室の看護師は解剖生理学、器械類の知識が豊富なので他の部署でも経験を活かすことができます。
特に救命救急センター、ICU などは重宝されます。